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菅田将暉史上最高の演技! おすすめ映画5選【心を揺さぶる素晴らしい演技が堪能できる作品をセレクト】

text by 編集部
写真:getty images

大作映画から低予算のインディーズ映画まで、幅広い規模の作品で唯一無二の存在感を発揮。菅田将暉は、今や日本映画に欠かせない存在である。今回は、どんな役柄でも完璧にこなす、稀代のカメレオン俳優である彼の「演技力が堪能できる作品」を5本セレクトした。

【菅田将暉 プロフィール】

写真:getty images

 1993年生まれ。大阪府箕面市出身。2008年に第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選出されたことをきっかけに芸能界入り。その翌年、平成仮面ライダーシリーズ第11作『仮面ライダーW』で主演に抜擢され、各方面から注目を集める。王道のラブストーリーから、エッジの効いた暴力映画まで、ありとあらゆるジャンルの作品で多彩なキャラクターを演じわける、まさに現代を代表するカメレオン俳優と呼ぶべき存在。

ロカルノ映画祭金豹賞受賞
父殺しの欲望をうちに秘める鬼迫の演技に注目!

『共喰い』(2013)

監督:青山真治
原作:田中慎弥
脚本:荒井晴彦、青山真治
キャスト:菅田将暉、光石研、田中裕子、篠原友希子、木下美咲

【作品内容】

 昭和末期の福岡北九州市。17歳の高校生・遠馬(菅田将暉)は、父の円(光石研)とその愛人・琴子と3人で暮らしている。毎晩のように琴子に暴力をふるう円の姿を見て育った遠馬は、父への嫌悪感をつのらせると同時に、自分もいつか父のようになってしまうのではないかと、恐れる気持ちも抱いていた…。

 原作は田中慎弥による芥川賞受賞作。監督を務めたのは、『EUREKA/ユリイカ』(2000)、『月の砂漠』(2003)など、スケールの大きい作品を手がけ、国際的にも高く評価されている名匠・青山真治。脚本は1970年代から現在に至るまで、第一線で活躍している荒井晴彦が担当している。

【注目ポイント】

 DV癖のある父を毛嫌いしながらも、ときに暴力衝動が抑えられなくなる。そんな複雑な内面を持つキャラクターを、気迫の演技で体現。

 けっして派手なアクションシーンがあるわけではない。しかし、古びた日本家屋で畳に横たわり、鋭いまなざしで虚空を見つめる菅田の表情からは、言葉にならない鬱屈した感情がしっかりと伝わる。出演時の年齢は若干20歳。にもかかわらずこの殺気、ただ者ではない。

セリフや大仰なジェスチャーではなく、沈黙によって内面をヴィヴィッドに伝える、抑制された演技に背筋をゾッとさせられると同時に、ほとばしる色気に圧倒されるだろう。

 キャリア初期の作品ではあるが、大器の片鱗は十二分に感じとれる。ちなみに、菅田は自身の転機として本作への出演および、青山真治監督との出会いを挙げており、役者自身にとっても特別な意味を持つ一本。

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