原作とどこが違う? 王蟲の正体とは? 映画『風の谷のナウシカ』徹底考察。 意味深なラストの真相は? 珠玉の楽曲も解説
映画『風の谷のナウシカ』をあらすじ(ネタバレあり)、演出、脚本、配役、映像、音楽の視点で徹底解説! 制作会社はジブリではない…? ナウシカのモデルになったものとは? 監督の宮崎駿が「未完成の作品」と称したこの映画の真の魅力、そして結末を多角的な視点で明らかにする。<あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー>
風の谷のナウシカ あらすじ
舞台は、世界最終戦争「火の七日間」によって、文明が滅びた千年後の地球。
人類の姿が消え、荒廃した大地は、「腐海」という有毒なガスを発する菌類の森に姿を変えていた。地球の覇権は「腐海」に住む巨大な昆虫「蟲 (むし)」が握っており、わずかに生き延びた人類は「蟲 」の脅威のもと、苦しい生活を強いられている。
一方、海の近くにある小国風の谷は、海から吹き込む風に守られることで腐海の影響を受けず、農民たちはひっそりと暮らしていた。ある日、村長ジル(辻村真人)の娘・ナウシカ(島本須美)は、飛行具・メーヴェに乗って、腐海探検に繰り出すと、蟲を封じる力を持つ「鏑弾 (かぶらだま)」の発砲音を聴く。
その後、蟲の中でも最大級の大きさを誇る・王蟲 (オーム)に追われる男の姿を見ると、男に逃げ道を教え、閃光弾と蟲笛を駆使して王蟲の怒りをなだめ、男を助ける。男の名は、ユパ・ミラルダ。彼は腐海の謎を解く為の旅を続けていたナウシカの師であった。
ナウシカとの再会を喜ぶユパ。彼女は蟲と心を通わせるという稀有な能力を持つ、心優しい女性に育っていた。村ではユバの帰還を祝い、祭りが行われる。ナウシカは大ババから「その者、青き衣をまといて金色(こんじき)の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん」という、風の谷に伝わる古い話を聞く。
夜明け頃、風の谷に大国トルメキアの大型船が飛来する。ナウシカは誘導しようとするが、船は腐海で蟲と激しい戦闘を交わしたことで、すでにコントロールを失っており、着陸に失敗。燃える大型船の中に分け入ったナウシカは、ペジテ市の王女ラステルを救出するが、彼女の命は途切れかかっており、「積荷を燃やして」と言い残し死ぬ。
夜が明け、焼け残った船体から巨大な繭のような物体が発見される。風の谷が騒然とする中、トルメキア軍司令官である皇女・クシャナが率いる軍隊が、大型船回収のために谷へ訪れると、攻撃を仕掛け、城を制圧する。
村長のジルは撃ち殺され、怒りで我を忘れたナウシカは敵兵を殺害。尚、暴れようとしているところをユパに止められる。クシャナ率いる軍隊の急襲を受け、風の谷はトルメキアの支配下に置かれるのだった。