”ボロボロのアクション”が泣けるワケ。映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』徹底考察。意外な名作へのオマージュも?
text by 島晃一
シリーズ5作目にして集大成となる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が公開中だ。“人類の歴史を変える力”を持つ秘宝を巡り、考古学者にして冒険家のインディが、因縁の宿敵と争奪戦を繰り広げる。今回は、過去作へのオマージュたっぷりな本作のレビューをお届け。(文・島晃一)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
15年ぶりの最新作はスピルバーグもジョージ・ルーカスも不在
製作総指揮、原案のジョージ・ルーカス。監督はスティーヴン・スピルバーグ。この夢のタッグが、考古学者にして冒険家インディ・ジョーンズの活躍を描いた『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)で現代に冒険活劇を復活させ、数々の賞を受賞し大ヒットを記録。続編だけでなく、テレビやゲーム、そして今ではテーマパークのアトラクションにもなるなど、人気シリーズとして知られるのが『インディ・ジョーンズ』だ。
インディに扮するのは、当時『スター・ウォーズ』シリーズのハン・ソロ役でスターの仲間入りを果たしたハリソン・フォード。そんな彼が『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年)以来、15年ぶりに、そして最後にインディを演じるのが、本作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』である。
この最新作で、製作体制は大きく変わった。スピルバーグは監督を降板し、ジョージ・ルーカスも原案を担当せず、両者は製作総指揮に回っている。スピルバーグに代わって監督を務めたのは、『LOGAN/ローガン』(2017年)や『フォードvsフェラーリ』(2019年)といった話題作で知られるジェームズ・マンゴールド。
脚本は、マンゴールドのほか、ジェズ・バターワースとジョン=ヘンリー・バターワース、撮影にフェドン・パパマイケルなど、『フォードvsフェラーリ』のスタッフが参加している。
なお、「レイダース・マーチ」をはじめシリーズの象徴的な音楽を生み出してきたジョン・ウィリアムズは、今作もスコアを担当する。