夏の終わりを描いた最高の映画は…? おすすめの名作洋画5選。儚くも切ない気持ちに浸れる珠玉の作品だけをセレクト
大きく開いた窓から入る暖かい風にのって、子供の笑い声が聞こえる。授業終わりの放課後の苦い思い出。“夏”が終わりに近づくと、何故か少し切ない気持ちが残る。そんなどこかで誰もが感じた、夏の終わり。今回は、米Movie Webを参考に、人間関係が変化し、気持ちが変化する、儚くも切ない夏の終わりを捉えた映画を、5本紹介する。
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子供時代に終わりを告げる…
12歳の少年達の死体探しの旅
『スタンド・バイ・ミー』(1986)
製作国:アメリカ
監督:ロブ・ライナー
脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン
キャスト:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド
【作品内容】
1959年の夏、オレゴン州の田舎町では、個性的な12歳の少年4人がいつも一緒に遊んでいた。
ある日、行方不明であった少年の死体が、線路上に放置されているとの噂を聞きつける。噂をきっかけに、仲良しの4人は、死体探しの旅に出かけることを決意。
途中で喧嘩をしながらも、お互いに助け合い、鉄道の線路に沿っての彼らの冒険が始まる…。
【注目ポイント】
主人公の作家ゴーディが、遠き日の親友の死を知り、彼の青年期を共に過ごした仲間との夏の思い出を振り返る作品。
本作は、スティーヴン・キングが執筆した『恐怖の四季』(原題:Different Seasons)に収録された短編小説である『THE BODY(死体)』が原作となっている。
作品に登場する4人の仲良しで個性的な少年達は、木の上にある秘密基地に集まり、遊んでいる。ある日、少年の死体の噂を聞きつけ、その死体を見つければ「英雄になれる」と言う動機から、彼らは死体探しの旅に出かけることとなる。
旅の困難を共にし、内に秘めていた悩み事を次第に共有する彼ら。子どもが持つ悩みは、決して小さなものではなく、立派に複雑だ。
しかしそんな悩みを持つ彼がお互いに大人の手を借りずに支え合い、冒険を通して成長していく姿を見ると、不思議と、いつしか私達も送ったであろう、あの夏の日と交錯する。
「私たちは自分たちを知り、どこへ向かっているか知っていた」。「ただ、誰もぼくを知らない土地へ行きたい」。「12歳だったあの時のような友だちは、それからできなかった。もう二度と……」。「何だってできるさ」という、夏の終わりと同時に、子供時代の純真さの終わりを感じさせる、淡い名台詞が多々登場する本作は、昔の友人との思い出を振り返るきっかけとなる、不朽の名作である。