乃木は誰を裏切るのか…? なぜか消えたものとは? ドラマ『VIVANT』8話の謎を徹底考察。未回収の伏線を解説
text by 寺島武志
民放ドラマとしては規格外のスケールを誇り、放送後はSNSでアツい考察合戦が繰り広げられているTBS系ドラマ『VIVANT』。物語の佳境となる第8話は過去最高となる世帯平均視聴率14.9%を記録。今回は第8話の内容を確認しつつ、未回収の伏線を整理していく。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
乃木の言葉は嘘か真か
毎週日曜9時の放送の度に、様々な謎を残し、ネット上で考察合戦が繰り広げられるTBS系ドラマ『VIVANT』。民放局制作の連続ドラマでは、ここ数年にはない盛り上がりを見せている。
3日放送の第8話では、乃木憂助(堺雅人)が、柚木薫(二階堂ふみ)に、自宅の権利書と自身名義の預金通帳を送るシーンから始まる。
父親である、テロ組織「テント」のリーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司)に会うためだけに、バルカ共和国に渡った乃木が “もう日本には帰らない”という覚悟を示し、自ら退路を断ったと思わせる行動だ。
第7話の最後には、「別班」としての役割を裏切り、黒須駿(松坂桃李)をはじめとする仲間を次々と射殺。重傷を負った黒須とともに牢に入れられる。潜入作戦ではなく、乃木の身勝手な単独行動だと知った黒須の怒りを買うことになる。
テントのアジトで囚われていた乃木は、ポリグラフ(ウソ発見器)を装着された上で、ベキの息子・ノコル(二宮和也)の尋問を受ける。さらに、ベキとの会話の中で、両親と生き別れになったおぼろげな記憶と、日本帰国にいきさつ、米国留学中に9・11テロを経験し、それが自衛隊入隊の動機になったことなどを語る。
その話を聞いたベキの、何かを思い出したかの表情が、乃木の語ることにウソはないことを裏付けているようにも見える。