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「映画は心を動かす芸術」画家・BABIが愛する“セリフとラストが熱い”アメリカ映画5選【私の人生を変えた珠玉の映画たち】

text by 司馬 宙

各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、「リリー・フランキー『スナック ラジオ』」(TOKYO FM、毎週土曜16:00~16:55)に出演する画家・BABIだ。リリー・フランキーの弟子である彼女が選ぶ5選は?(取材・文:司馬 宙)

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【BABI プロフィール】

画家、写真家。俳優・タレントのリリー・フランキーがメインパーソナリティを務めるTokyoFMのラジオ番組「スナックラジオ」のレギュラーを務める。

ディカプリオの死に際のセリフが胸を打つ傑作

『ブラッド・ダイヤモンド』(2006年)

画家BABIさん

ーーーまず驚いたのが、今回選ばれた映画は5本とも全部アメリカ映画ですね。しかも、全部の作品がなかなかにハードボイルドというか…。

「お父さんが映画好きで、小さい時から映画がずっと流れているような家で育ったので、フランス映画からB級映画までいろんなジャンルの作品を見てきました。ただ、やっぱアメリカ映画が最強だなと思って、割とメジャーな作品からピックアップしました」

ーーーコンセプトも一貫していて素晴らしいラインナップですね。で、一本目の作品はレオナルド・ディカプリオの名演が光る『ブラッド・ダイヤモンド』です。

「私、昔からディカプリオが大好きで、『タイタニック』(1997年)と結構悩みました。ただ、『ブラッド・ダイヤモンド』はとにかく刺さるシーンが多いんですよね。例えばソロモン(ジャイモン・フンスー)がブラッド・ダイヤモンドを見つけた時の顔とか(笑)。あの表情は名演技すぎない? って。

あとは、やっぱラストシーンですよね。ディカプリオ演じるダイヤ密輸商人のアーチャーが、ソロモンと結託して逃走するんだけど、追手に追い詰められてしまう。で、自分の最期を悟った彼は、知り合いの女性ジャーナリストに電話してソロモンとその娘を託すんですよ。

でもこの時、彼は絶対泣き言を言わない。むしろ微笑んでこう言うんです。「今、すげえ景色を眺めてるんだぜ。君と見たかった」って。

もう、最高ですよね(笑)。私、セリフが結構刺さるタイプなんですけど、この言葉だけで、彼の仕事に対する覚悟とか、家族を持てない身の上であるとか、いろいろなことを物語っている。このセリフは絶対に書けないなって」

ーーー確かにあのラストシーンは名シーンですよね。ちなみに『タイタニック』で印象的なセリフはありますか?

「ディカプリオ演じるジャックが、海に身投げしたローズ(ケイト・ウィンスレット)を救った後の会話ですね。

強制結婚に嫌気が差したローズに、ジャックが「相手を愛しているのか? 」と言うのだけど、ローズははぐらかそうとする。そこで、彼が「it’s a simple question(簡単な質問さ)」って言うんですよね。でも、彼女はジャックの「簡単な質問」にも応えられない。無駄なセリフを使わずに、ローズの心の中の葛藤を示したうまいセリフだと思いました。

あと『タイタニック』だと、ジャックがローズのヌードをスケッチするシーンを見て、子どもながらにゾワッとしましたね。なんかエッチだなって(笑)」

ーーーBABIさんがディカプリオをはじめてみたのは『タイタニック』ですか?

「いや、海外ドラマかな。お父さんに勧められて観て、顔マンガやん、って思って(笑)。そこから『タイタニック』も観るようになりました。

あと、ディカプリオは演技も最高ですよね。例えば『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)だと、ディカプリオ演じるジョーダンがドラッグでハイになって、這いつくばったまま愛車のランボルギーニに乗るシーンがあって(笑)」

ーーーあれは最高のシーンですよね! (笑)

「ですよね(笑)。私、映画って、1つの作品で名シーンが1カ所でもあると名画だと思うんですけど、ディカプリオはそれを何カ所も入れてくる。だから、ディカプリオって、最初はイケメンだったのにどんどん太って演技も濃くなって「おもしろおじさん」になっていくんですけど(笑)、それも含めて好きですね」

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