ケネディ暗殺事件、驚きの新事実とは? 映画『JFK 新証言 知られざる陰謀』徹底考察&解説。アメリカの闇に迫る野心作
text by 寺島武志
“世界史最大のミステリー”と呼ばれる事件、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件の真相を追う、衝撃のドキュメンタリーが現在公開中だ。今回は、映画『プラトーン』などを手掛けるオリヴァー・ストーン監督が“ライフワーク”として取り込んだ本作を余すことなく紹介する。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
世界を震撼させたJFK暗殺事件
大国アメリカの闇に迫るドキュメンタリー大作
1963年11月23日の早朝、世界のテレビ放送史上に残る、太平洋を越えた日米間の衛星中継(当時は「宇宙中継」と呼ばれた)が行われた。午前5時28分、史上初めて海を越えてくる“憧れの国・アメリカ”の映像が、日本のお茶の間で鮮やかに映し出される、はずだった…。
ところが、この歴史的な電波に乗って送られてきたのは、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディ暗殺の悲報。
中継したNHKのアナウンサーは困惑の色を隠せず、「この電波でこのような悲しいニュースをお送りしなければならないのは誠に残念です」とだけ伝え、その衝撃は、米国のみならず、日本全国にも広がった。
本作は、1992年に、188分(ディレクターズカット版は206分)の超大作『JFK』で、ケネディ暗殺事件に独自の視点で迫い、アカデミー賞で撮影賞と編集賞を受賞したオリヴァー・ストーン監督が、新たに解禁された数百万ページにおよぶ機密文書の中から重要な発見をあぶり出して再検証し、さらに、事件の目撃者など関係者へのインタビューから浮上した“新たな証拠”を深く掘り下げ、事件の真相に迫るドキュメンタリーだ。