史上最も意味深なラストシーンをもつ映画は…? 議論の絶えないミステリアスなエンディング5選。観客を煙に巻く名作をセレクト
観客をけむに巻くような不可解なエンディングは、往々にして観客の間に議論を呼び起こす。そのため、こういったエンディングの作品は、観客の記憶に強く残るものが多い。今回は、米ScreenRantを参考に、エンディングが議論され続けるミステリアスな映画5本をご紹介しよう。
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異国の地で出会った「運命の人」が
別れ際にささやいたセリフとは
『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)
上映時間:102分
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
キャスト:ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョバンニ・リビシ、アンナ・ファリス、藤井隆
【作品内容】
ハリウッドの映画スター、ボブ・ハリスは、サントリーのウイスキーのCM撮影のために東京を訪れる。ボブは、滞在先のホテルで手厚い歓迎を受けるものの、通訳がうまく機能せず、漠然とした不安を抱いていた。
ある日、不安でなかなか眠れないボブは、ホテルのバーで孤独な女性シャーロットと出会い、意気投合。そしてボブは、シャーロットの夫ジョンが福岡へ出張に出た日の夜に、シャーロットと東京の街へ繰り出す。
【注目ポイント】
ソフィア・コッポラが、言葉の通じない異国・日本で偶然に出会ったアメリカ人が出会い、惹かれ合う様子を描いた本作。そのラストシーンは、次のようなものだ。
アメリカへの帰国が決まったボブは、ホテルのロビーでシャーロットに別れを告げる。その後、ボブはタクシーに乗るが、東京の雑踏の中にシャーロットの後ろ姿を見つける。タクシーから飛び降りたボブは、シャーロットを抱きしめ、別れの言葉をささやく。ただ、問題は、ここで、ボブが何をささやいたのかはっきりしないことだ。
ボブを演じたビル・マーレイは、本作のラストシーンについて尋ねられた際に「忘れた」と答えており、真相は謎に包まれている。しかし、YouTuberのVidVidorは、自身のチャンネルでこのラストシーンを分析し、大きな話題を呼んだ。
VidVidorによれば、ボブは「I have to be leaving, but I won’t let that come between us, okay?” 僕はここで別れを告げなければならないけど、それは、君への想いが遠く離れるということじゃないんだ、わかってくれるかい?”」とささやいているという。
もし、ボブがシャーロットにささやいた言葉が、2人の再会を約束する愛の言葉だったとしたら―。本作のラストは、これ以上ない理想的なものだといえるだろう。