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歴代最高の朝ドラヒロインは…? 連続テレビ小説史上もっとも魅力的な女性主人公5選。国民から最も愛されたヒロインをセレクト

text by 寺島武志

NHK連続テレビ小説といえば、若き女優の登竜門とも呼ばれるドラマ作品。朝ドラを毎朝の楽しみとしている人も多く、朝ドラのヒロインは、お茶の間の顔と言っても過言でない。ヒロインが魅力的であれば、作品そのものの評価にも繋がる大事な存在だ。今回は、数ある朝ドラ至上最も魅力的なヒロインを5人セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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岩手の方言「じぇじぇじぇ」が流行語大賞に

『あまちゃん』(のん)

のん
のんGetty Images

主人公:黒川アキ→天野アキ
放送期間:2013年4月1日~9月28日
脚本:宮藤官九郎
最高視聴率:27.0%
主演:能年玲奈(当時)

【作品内容】

引っ込み思案の高校2年生の黒川アキ(能年玲奈)は、祖母の危篤の知らせを受け、母・春子(小泉今日子)とともに岩手県北三陸市袖が浜を初めて訪れる。しかし、祖母の危篤話は、春子に後継者不足に悩む観光資源「北の海女」を春子に継いでもらう目論みのための嘘だった。

春子は東京へと帰ろうとするが、アキは、海女たちの勇姿と過疎化が進む北三陸の現実を目にし、海女になると宣言。夫・黒川正宗(尾美としのり)とも離婚した春子はアキと共に北三陸に移住することとなる。

ひょんなことから、春子がかつてアイドルを志していたことを知ったアキは、アイドル志望の親友・足立ユイ(橋本愛)とユニット「潮騒のメモリーズ」を結成。芸能活動に目覚めていく…。

【注目ポイント】

クドカンこと宮藤官九郎が初めてNHKドラマの脚本を手がけた本作。物語後半では、アキはアイドルとして東京進出するも失敗に終わり、失意のまま北三陸に戻るが、そんな時、東日本大震災が起きる。アキとユイはアイドル活動を通じて、傷ついた北三陸の復興を後押しすることを決意し、大活躍した。

宮藤官九郎は隣県・宮城県の出身でもあり、震災と復興への思いは人一倍強かったはず。しかし、ストーリーに湿っぽさは微塵もなく、底抜けに明るい物語を描いた。その中心にいたのが、ドラマ初主演となる能年玲奈だ。

厳しいオーディションを勝ち抜いて、朝ドラヒロインの座を勝ち取った能年は、周囲の期待を超える表情豊かな演技を見せ、驚いた際に使う岩手県久慈の方言「じぇじぇじぇ」は、2013年の流行語大賞にも選出された。

本作の後、「のん」に改名し、映画『私をくいとめて』(2020年、『さかなのこ』(2022)、『天間荘の三姉妹』(2022)でも主演を務めている。まさしく、朝ドラが生んだ人気俳優といっていいだろう。

劇中歌で使用された「潮騒のメモリー」で小泉今日子は紅白歌合戦にも出演し、さらに、大友良英が担当したオープニングテーマも明るい曲調で、ドラマともマッチし「朝から元気になれる」という声も大きかった。

本作の反響は大きく、2014年に全線復旧した三陸鉄道は、本作の“聖地”として観光スポットとなっている。

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