原爆の父と呼ばれたロバート・J・オッペンハイマーの伝記映画である『オッペンハイマー』は、日本での公開を3月29日(金)に控えている。今回は、本作に登場する主人公のオッペンハイマーと、あの天才物理学者アインシュタインの関係の真相について現地メディア米Colliderを参考に紹介していく。

オッペンハイマー×アインシュタイン。2人の天才の真実の関係とは？

映画『オッペンハイマー』は、「原爆の父」と呼ばれた“オッペンハイマー”の歴史的伝記映画である。本作で注目すべきは、主人公の理論物理学者ロバート・J・オッペンハイマーだろう。しかし本作にはもう一人注目すべき人物が登場する。それは時空の歪みや重力の神秘を解き明かした天才物理学者のアインシュタインだ。

本作は、世界興行収入9億5000万ドル(約1300億円)を超える世界的大ヒットを記録。さらに批評面でも高く評価され、第76回全米監督組合（DGA）賞をはじめ、第30回全米映画俳優組合（SAG）賞で作品賞にあたるキャスト賞、さらには、第35回全米プロデューサー組合（PGA）賞など、様々な賞を獲得。オスカーの最有力候補となっている。

主人公の理論物理学者であるロバート・J・オッペンハイマーを演じた俳優のキリアン・マーフィーの演技は、批評家やファンから圧倒的な称賛を浴びている。さらに、アメリカ原子力委員会の創設委員ルイス・ストラウス役を演じた俳優ロバート・ダウニー・Jr.や、オッペンハイマーとカリフォルニア大学バークレー校の物理学教授として同僚、友人であるアーネスト・ローレンス役の俳優ジョシュ・ハートネットなど、他の出演俳優陣全体にも同様に数多くの好意が寄せられている。

上記の登場人物たちは本作の視聴には欠かせない存在だ。しかし本作の脇役として中でも注目を得るのは、オッペンハイマーと交友関係のある俳優トム・コンティ演じるアルベルト・アインシュタインの存在である。彼は今回ノーランが語る物語に欠かせない人物であることに間違いない。しかしそんなアインシュタインとオッペンハイマーの関係は、実際は映画内で描かれているほど友好的ではなかった。