宮嶋風花監督×長澤樹×窪塚愛流ら登壇。映画『愛のゆくえ』エピソードトークで大盛り上がりの公開記念舞台挨拶レポート
若手実力派俳優・窪塚愛流の父、窪塚洋介の話題も! 宮嶋風花監督の⻑編商業映画デビュー作品となる映画『愛のゆくえ』が、現在全国順次公開中だ。この度同作の公開を記念し、3月2日(土)に宮嶋風花監督、主演の長澤樹、窪塚愛、さらに芸人で俳優の板尾創路が花束プレゼンターとして登壇して公開記念舞台挨拶が行われた。
窪塚愛流の明かす撮影エピソードに長澤樹がツッコミ!
映画上映後、満席の会場にやってきた登壇者たち。そんな熱気あふれる会場を見渡した長澤は「今日という日を迎えられたこと、この映画をたくさんの方に観ていただけるのは本当に幸せだと思っています」と感激した表情であいさつ。
続く窪塚も「撮影から3年経って、ようやく皆さまのもとに届けられることをうれしく思っています」と観客に呼びかけた。
長澤演じる愛と、窪塚演じる宗介は幼なじみという設定。その役づくりにあたって、「撮影が始まる前に、宮嶋監督と、樹ちゃんと、(愛の母親役の)田中麗奈さんと一緒にカレーをつくらせていただいたんですが、その時からお互いに役名で呼び合っていました。僕は洗い物担当だったんですが、撮影前から家族らしいことをさせていただいたので、いざ撮影に挑む時にも不安を感じずに取り組めたのがありがたいことでしたね」と述懐。
宮嶋監督も「やはり準備から撮影までの間に会える回数も少なかったので。その短い時間で一気に距離を縮めてほしいなと思って、カレーをつくってもらうことにしました」とその意図を明かした。
本作は宮嶋監督自身の実体験をもとにつくられた半自伝的な作品となる。
「もちろん映画は観ていただくものではあるんですが、自分自身もつくる意味のあるものをつくるべきだと考えた時に、前作の『親知らず』という映画は、自分の経験したことから物語を紡いでいった作品だったんですが、その時はまだその経験を出し切れていないというか、表現しきれていないなという風に感じたので、『愛のゆくえ』が自分の過去と対峙(たいじ)して、乗り越えるきっかけになればいいなと思って、この題材を選びました」と説明。
そんな監督の思いのこもった役を演じることとなった長澤は、「台本を読んでみて、最初はいち読者というか。その感想をぜひとも監督にお伝えしたい、という気持ちでした。だから自分が愛をやる、やらない以前に、この作品について語り合いたいみたいな気持ちで入っていったんですが、実際やることになって。愛ちゃんという女の子が、ほとんど監督みたいな女の子なんだということを知って。それからはずっと監督を観察していました」と笑いながら明かした。
本作は、北海道を舞台とした美しい自然を幻想的な映像美で描き出している。そんな撮影を振り返り、「ものすごく寒かった!」と笑い合う長澤と窪塚。
まずは愛が船に乗り込むシーンについて長澤が「でもそこ(北海道の寒さ)に支えられたというところはあって。同じシーンをやるのでも、東京でやるのと、北海道でやるのとでは全然違うだろうなと思っていたと思う。だから本当にあそこで撮れて良かった」と語ると、さらにそれとは別の、雪景色の中で二人が歩いていくシーンについて語った窪塚も「やはり雪の中なので。足跡がついたら一発で終わりじゃないですか。だからお互いに(新雪の中を)ズボズボッ、ズボズボッと入っていって。本当に大変だったんですが、でも真剣に芝居をするという気持ちでいました。今まではわりと安全な状況で撮影をすることが多かったので、自分たちで、お互いに協力し合いながらする撮影は楽しかったですし、特に雪はすごくまぶしいので。全然目が開けられないんですよ。できるだけまばたきをせずに、シーンをやりきるのは難しかったですけど、楽しかったですね」と述懐。
ちなみにそんな彼が、北海道でハマった食べ物は、北海道を中心に展開するコンビニチェーン店で販売しているあんパンだったという。「毎朝、朝食であんパンを買って撮影に行って。そしてまた(帰りに)セイコーマートであんパンを買って、一日を締めるというのをやっていました。東京で食べるあんパンよりも本当においしいんですよ。雪景色を見ながら牛乳を飲むのも良くて。なんだかあんパンに助けられたところはありますね」と語る窪塚に、長澤も「刑事ドラマだよね」と笑っていた。