『ゴジラ-1.0』最大の謎とは? ゴジラ映画の都市伝説5選。尾ひれは何を意味している? ライバルのモデルは? 徹底考察
日本映画初の米アカデミー賞・視覚効果賞を受賞した映画『ゴジラ-1.0』。ゴジラ70周年記念作品として2023年に制作され、ゴジラ作品はなんと30作目。今回はそんな中でも、「ゴジラ映画」にまつわる都市伝説や、小ネタ要素などが詰まった作品をセレクト。作品の魅力とともにゴジラの正体について解説していく。(文・ニャンコ)
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『ゴジラ-1.0』で兵士たちがゴジラに敬礼する理由は?
考察①ゴジラは太平洋戦争で亡くなった兵士の霊の集合体である
上映時間:125分
監督:山崎貴
脚本:山崎貴
キャスト:神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、安藤サクラ、佐々木蔵之介、山田裕貴、吉岡秀隆、田中美央、遠藤雄弥、飯田基祐、永谷咲笑
【作品内容】
舞台は、戦争によって全てを失い、焦土と化した日本。
特攻隊にも関わらず生還したことに後ろめたさを感じたまま帰還した敷島浩一(神木隆之介)は、焼け野原の日本を一人強く生きる女性、大石典子(浜辺美波)に出会う。
戦争を生き延びた人々が日本復興を目指すなか、追いうちをかけるかのように、謎の巨大怪獣ゴジラが出現。圧倒的な力を持つゴジラに、人々は抗うすべを模索するが・・・。
本作は、ゴジラ70周年記念作品として制作されたゴジラ作品30作目となり、山崎貴が監督・脚本・VFXを手掛け、日本映画初の米アカデミー賞・視覚効果賞を受賞した。
映画『君の名は。』(2016)の神木隆之介が主人公の敷島浩一、映画『君の膵臓をたべたい』(2017)の浜辺美波がヒロインの大石典子をそれぞれ演じ、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介、山田裕貴らが脇を固めた。
【注目ポイント】
アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』。ゴジラの放射熱線によるキノコ雲、典子の首のアザなど謎めいた細部を多く持つ本作。中でも最も活発に議論されているのは、敷島の攻撃で頭部を失ったゴジラに向かって、兵士たちが敬礼をするシーンについてだろう。
このシーンでは、第二次世界大戦で亡くなっていった仲間たち(日本兵)への敬礼だったのではないか、という考察が繰り広げられている。『ゴジラ-1.0』に登場するゴジラはつまるところ、第二次世界大戦で命を落とした日本兵の霊の集合体であるというわけだ。
上記の仮説を採用すると、人々は、ゴジラに勝利した喜びに加え、戦争に対する贖罪、そして戦争で亡くなった仲間達への深い敬意を示しているのである。ワダツミ作戦が成功した後の敬礼シーンは、単なる敬礼ではなく様々な意味合いを持つ重要なシーンなのだ。
本作は、戦後の日本の苦悩と復興を象徴的に描いており、ゴジラを通して戦争の恐怖を深く掘り下げている。そうした特徴は本作の国際的な成功にポジティブな影響を与えていると言っていいだろう。
この敬礼シーンがあることにより、本作が伝える反戦と復興のメッセージが強調されており、観客に深い印象を与え、戦後の日本が直面した困難と復興への道を歩み続けるという不屈の精神を象徴しているのである。