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「俺をパクッてスベりやがって…」お笑い芸人・永野が愛する”ぶっ飛んだ映画”5選【私の人生を変えた珠玉の映画たち】

text by ZAKKY
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各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、お笑い芸人 永野さん。映画をこよなく愛し、自身のYouTubeチャンネルや出演するラジオ番組では、そのユーモラスな映画観を披露する機会もしばしば。そんな永野さんが選んだ珠玉の5作品とは?(文・ZAKKY)

 

【永野 プロフィール】

1974年生まれ。宮崎県出身。「ゴッホ(ピカソ)より、普通に、ラッセンが好き」のネタでブレイクした、孤高のカルト芸人(ラッセンご本人には、あまりよろしく思われていない)。ロックミュージック好きとしても知られている。

永野CHANNEL

出典:Amazon

●著書『僕はロックなんか聴いてきた 〜ゴッホより普通にニルヴァーナが好き!』(\1,760/リットーミュージック・刊)絶賛、発売中!

芸人への道を切り拓いた!?
『スカーフェイス』よりも断然好みな逸品

『グッドフェローズ』(1990)

――― 一本目はマーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』です。
「この作品は、面白かったうんぬんより、当時高校生だった自分に影響を与えた映画ですね~。主人公が、大統領になるより、ギャングになりたかったっていう話で。街のギャングの中で成り上がっていき、イケイケになったけど、その後の転落まで描いたストーリー。たしか本作を観る前に、『ホームアローン』と『シザーハンズ』という2本の映画を友達の付き合いで観に行ったんです。僕は『シザーハンズ』にグッときたのですが、『ホームアローン』に出ていたジョー・ペシが、この映画では突然キレ出して、人を銃で撃つようなマフィア役で、ビックリして!」

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―――ジョー・ペシはこの映画で、アカデミー助演男優賞を受賞していますね。
「自分のYouTubeでも、しょうもない話をしていまして。ジョー・ペシ演じるトミーと『スカーフェイス』のトニー・モンタナ(アル・パ・チーノ)はどっちが強いのか? とか(笑)。僕は、絶対ジョー・ペシだと思っているんですよ。だってもう、トミーは狂いまくっているから。一方、トニー・モンタナってちゃんとした奴なんですよ、実は。だから、僕の見解では絶対、ジョー・ペシの方が、強いんです!」

―――ジョー・ペシvs.トニー・モンタナの話になっちゃいましたね(笑)。
「あと、この映画にも出ているロバート・デ・ニーロがこの時期くらいから、金が無かったのか知りませんが、出なくてもいいだろうという作品にも、出まくっていたんですよ。そこから僕の中で、デ・ニーロの価値が低くなっていった(笑)。例えば、まだ無名だったレオナルド・ディカプリオが出演していた『ボーイズ・ライフ』(1993)にも出ていて。そういえば、当時『ボーイズ・ライフ』でディカプリオを知って、“コイツ光ってるものがある”と思っていたんですよ!先見の明ありましたね~」

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―――アハハ!今度はディカプリオの話に。
「いや、何が言いたいかと言うと『ボーイズ・ライフ』と同じく、『グッドフェローズ』も、若者がのし上がる系の話なんですよ。色々あって、物語の終盤では、生きてくために捕まりたくないから、仲間を売るんですね。彼らは死んでいったり、刑務所に収監される。およそ150分間にもわたって散々、ギャングの生活を見せられた後に、普通の生活を手に入れた主人公が『死ぬ程つまんねぇ』と言って終わるんすよ。で、シド・ヴィシャス版の『マイウェイ』がドン!って流れてエンドロール。この演出、うーわぁ!カッコイイって思って!」

―――痺れますよね…。
「当時、お笑い芸人になりたいと思い、地元の宮崎から東京に出ようと思っていたんです。でも、東京って冷たそうだし、怖いし行きたくないなあと思っていて。でも我々の世代(※聞き手は永野さんと同い年)、長渕剛の『とんぼ』世代じゃないすか」

―――アハハ!今度は長渕剛の話に。まあ、花の都・大東京に憧れますよね。
「ボストンバック持って、北に行かなきゃいけねぇんだっていうね(笑)。まあ、『グッドフェローズ』と長渕剛にケツを叩かれて東京に出てきたという話しです(笑)」

―――では、この映画を観なければ上京していなかったと?
「していなかった…かは、分からないですけど、かなり影響は受けましたね。でも、こんなもん観なきゃ良かったって思っていた時期も長かったですよ。ずっと売れなかったから(笑)。ほんと、上京したてのころは、親に仕送りをもらってばかりで。精神だけは『グッドフェローズ』なのに、毎日ちゃんとご飯食べてましたから。最悪ですよ!ホントに最低(笑)」

――― 一番好きなシーンはどこですか?
「最後の主人公のセリフの後に、ジョー・ペシがパパパパパーン!って銃を撃つシーンですね。あと主役の男が少年時代に捕まるんですけど、自分の父親くらいの年齢の世話になっているギャング連中を、警察に売らなかったんですよ。で、黙って裁判所から出てくる際に、ギャングファミリーたちが手を叩いて待っているシーンは好きですねぇ。男になったなぁって祝福される場面です。あと、デ・ニーロが、敵を蹴りまくって殺すシーンも大好きです。全体的に、悲しいシーンなのに愉快な音楽が流れたり、音楽の使い方もすごく好みですね」

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