上半期民放ドラマ、究極の美貌と最高の演技で魅了した女優(3)圧倒的“主人公力”を見せつけた役者は?
胸キュン必至の恋愛モノや、胸を打つ医療モノをはじめ、2024年の上半期は話題作に恵まれた。作品がヒットする要因は多くあるが、役者の働きによるところは大きい。そこで今回は、中でも素晴らしい活躍を見せた女優を独自の視点で選出。殊勲賞、敢闘賞、技能賞、準MVP、MVPに分けて、その芝居の魅力を解説していく。(文・あまのさき)
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圧倒的“主人公力”を見せつけた
技能賞:今田美桜『花咲舞が黙ってない』
過去に杏主演でドラマ化された『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系、2014)の新シリーズで花咲舞を演じた今田美桜。思えば今田は『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系、2022)でも主演を務めたが、こちらは1992年に石田ひかり主演で放送されたドラマ『悪女』のリメイク版である。
かつて人気を誇ったドラマをリメイクし、オリジナルとは別の俳優が主役を演じるとなると、比べられるのは不可避だ。今田にかかるプレッシャーは尋常じゃなかったと推測できる。だが、『悪女~』でもそうだったように、彼女はそのハードルをひょいと超えていく役者だ。
女優・今田美桜の魅力といえば、圧倒的な“主人公力”の高さだろう。『悪女~』で演じた田中麻理鈴同様に、今田にしかつくり出せない花咲舞をつくり出してみせた。
キメ台詞の「お言葉を返すようですが」を振りかざし、気になることがあれば時にルールを無視してまで徹底的に調べる。不正を見抜かれ、事実を突き付けられたお偉方は、彼女の口を塞ぐのに必死だ。しかし「黙れ」と言われても、花咲はひるむことなく「黙りません!」と切り返す。
銀行員として、会社員として、無謀な行動に出ることもあるものの、私利私欲とは無縁の場所で戦う花咲の姿勢に勇気をもらった視聴者は多い。それはひとえに、「無鉄砲」なイメージを「一生懸命」へと見事に変換した、今田の真っすぐな瞳と誠実さが伝わる芝居の賜物だろう。
花咲が投げかける不正への疑問は、すんなりと視聴者の心に沁みわたる。猪突猛進に生きる主人公を演じたら、今田美桜の右に出る者はいない。
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