気迫のある殺陣が心を打つ

香取慎吾

香取慎吾
香取慎吾【Getty Images】

 鬼殺隊を支える最上級隊士である“柱”の一人であり、「炎柱」の称号を持つ、炭次郎たちの憧れの人物である煉獄杏寿郎。正義感が強く、明朗快活で豪快な性格が何とも心地よく「こんな上司や、お兄さんがほしい」という声も聞く。理想の上司を体現するキャラクターとして、あらゆるところで名前が上がり、作中同様、ファンからも「煉獄さん」と親しまれる人物だ。

 しかし、その末路は、炭次郎たちを助けるため、非業の死を遂げる。彼の死を描いたパートは、漫画・アニメ史上屈指の泣ける名場面である。

 劇中では「すき焼き弁当」を「うまい!うまい!」と本当にうまそうに頬張る、煉獄さん。かつて、某コンビニの「牛すき焼き弁当」ともコラボしており、虚構と現実の垣根を超えて世の中に影響を与え続けている。

 そんな劇中屈指の人気キャラを実写化するにあたり、元SMAPのメンバー・香取慎吾を抜擢したらどうだろうか。実年齢は煉獄さんの倍以上なわけだが、その風格・心の余裕、後輩への優しさは折り紙付き。

 世間的には過小評価されている隠れた佳作『座頭市 THE LAST』(阪本順次監督:2011)では、盲目の剣士を熱演。雑木林やぬかるんだ舗道など、足場の悪いフィールドで態勢を崩しながらも、多勢の敵をバッサバッサと斬りまくるアクションが印象的だ。

 流麗な殺陣を得意とする俳優はごまんといるが、いかにも泥臭いアクションが似合う俳優は少ない。香取慎吾がみせる生々しい殺陣は、泥臭いからこそ観る者の心を打つのだ。身を挺して仲間を救う煉獄さんの気迫のアクションを体現できるのは、彼しかいないだろう。

 もし高橋が煉獄さんにキャスティングされれば、安定感のある演技で炭治郎たちを導きながら、現場でもいい雰囲気をつくるムードメーカーとなることは間違いない。

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