冬ドラマで最も株を上げた俳優は? 最高の演技で魅了した役者5選。実力派から勢いのある若手まで…旬の男をセレクト

text by まっつ

2025年の冬ドラマも盛り上がっている。今回は、現在放送中のドラマに出演する俳優をピックアップ。キャリア十分の実力派や新境地を開拓した若手の中から、今季、最も役者として株を上げた注目の男性俳優5人を選出し、作品の内容と共に、俳優の魅力を解説する。(文・まっつ)

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

説得力みなぎる演技に脱帽

松坂桃李『御上先生』(TBS系)

松坂桃李
松坂桃李【Getty Images】

 日本を代表する俳優と評価されるようになって久しい松坂桃李。個人的には、『ゆとりですがなにか』(2016、日本テレビ系)の山路一豊のような「なよっとした男性キャラ」が好みなのだが、『御上先生』でのエリートっぷりを見ていると、そうだ、この人とんでもないハンサムだったんだと改めて思い出させてくれる。

 御上孝は文科省官僚というエリートで、新たに設けられた官僚派遣制度により、東大進学率県内トップの進学校である私立隣徳学院へ教師として赴任する。人生において負けを知らない完全無欠っぷりは、ただ学校内の廊下を背筋をピンと伸ばして歩いている姿だけでも伝わってくる。だが、最も魅力が伝わってくるのはビジュアル面ではなく、言葉だ。

 第1話では「君たち、自分のことエリートだと思ってる? 君たちが考えているエリートはただの上級国民予備軍だ」と生徒たちに現実を突きつけたかと思えば、第3話では生徒のために職員室内で「顔を見合わせあって時間をやり過ごしていますよね。人の意見に耳をふさいでできる教育なんてありませんよ」と名台詞を連発。

 これらのセリフに共通するものがあるとすれば、自然さだ。比較的長いセリフにおいても一切の“嘘っぽさ”を感じさせず、すっと胸に落ちる説得力がある。それは松坂が御上という人間の輪郭をしっかりと捉えていることの証だろう。今さらながら高い表現力に舌を巻くばかりだ。

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