なぜ田中圭は“元カレ役”がハマるのか?

田中圭
田中圭【Getty Images】

 あともう1作品、元彼役…の前に紹介したいのが2015年放送『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(フジテレビ系)。元彼ではないけれど、英会話教室に勤める桜庭潤子(石原さとみ)の、憧れの人だった清宮真言役。ニューヨーク本社から颯爽と現れて、潤子を海外勤務に誘うというエリートだ。『アンサンブル』を見ていて「あ…田中圭、元彼役が多い」と思いついた瞬間、私の海馬から排出されてきた情報はこの作品だった。元彼ではないけれど、絶妙にヒロインの心をかき乱していたことを思い出す。

 元彼役に戻そう。2018年放送『獣になれない私たち』(日本テレビ系)で演じた、花井京谷は『私が恋愛できない理由』を上回るほどのややこしさがあった。長門朱里(黒木華)というニート女性に寄生されながら、関係を断ち切ることができず、その間に深海晶(新垣結衣)と交際に発展。結局はふたりとも別離に発展したけれど、愛のない同棲生活を続ける花井にやや疑問があったのは確か。でもそれらを押し除けて役を貫き、しかも似合っちゃう田中には感服なのだ。
 
 なぜ彼は元彼役が似合うのかと考えると、あの塩顔本家のような顔立ちの影響は大きい。山田涼介、佐藤健、城田優といった面々が元彼役というのは、どうも解せない。ただ田中に元彼役をなぞらえると、どんなヒロインも邪魔をせずフィットする。演技力云々はまた別のテーマになりそうなので割愛するけれど、私が思う限り、やはり塩顔は強いのである。

 今回の元彼役コラムが好評なら、次回はぜひ「田中圭のベスト夫ドラマ」を書きたい。個人的に圧倒的な一作品は決定している。なんなら今から皆様からの投票、お待ちしております。

(文・小林久乃)

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【了】

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