『フォレスト』が描く悔しさと復讐
主人公の一ノ瀬純(岩田剛典)は幼い頃に弟が行方不明になっている。自分と一緒に遊んでいる最中に行方がわからなくなってしまった。純の母・茜(黒沢あすか)は今も、弟の姿を追い続けて、純を「涼介」と弟の名前で呼ぶ。純もまた幼い弟が呼んでいたように「ママ」と呼ぶ。
ただ茜はショックでおかしくなるだけではなく、息子を殺めた犯人を突き止めて、復讐をしていた。その相手が、純の恋人である幾島楓(比嘉愛未)の母が経営するホテル『ブランフォレスト』の社長秘書、葉山修(堀部圭亮)だった…という流れ。実際、葉山は涼介を車で轢いてしまい、死体を遺棄していた。母の深い執念は間違っていなかったのだ。
と、並んだ2作は日曜のほぼ同じ時間帯に放送しながら、同じような母子設定という被り方をしていた。稀有なことでもあるし、両者で事前に打ち合わせができるわけはない。しかもこの母子設定が物語の大きなカギを握ってい他ので、同時並行で放送されていた当時はスタッフも冬ドラマに起きた珍事に焦ったと思う。