子を亡くした親の絶望
我が子が自分よりも先に逝く。気が重くなる設定ではあるが、現実であり、年間多くのニュースが報じられている。
私自身は子を持つ身分ではないけれど、我が子を亡くし、絶望に淵に追い込まれた人物を実際に何人か知っている。1歳未満のうちに息子が乳幼児突然死症候群によって亡くなってしまった女性は、当時から20年以上経過しても、小さな瓶に詰めたお骨をいつも持っているという。この死亡率はけして他人事ではなく、日本での発症頻度はおよそ出生6000~7000人に1人と推定され、生後2か月から6か月が一番多く起きるそうだ。
他には発達障害によって起きてしまった自死、思いがけないガン発覚により娘を亡くして孫を育てている姿も見た。いずれの母たちは自分を責めて、できれば一緒に死にたいと何度も考えたと聞く。生きていることが地獄だ、と。ドラマのワンシーンからふと彼女たちのことを思い出した。まだ自分にも高齢の両親がいると思うと、自然の摂理としてこの世から消えていく順番は守らねばと思う。それが今の私にできる精一杯の親孝行かもしれない。
※放送終了後の『フォレスト』はU-NEXT他で動画配信中
(文・小林久乃)
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