赤髪がトレードマークの元不良
桜木花道
演じるなら、この人!
~竹内涼真~
原作の主人公であり、最も迷った人選ではあるが、高身長と体格の良さ、そして、晴子に対してだけ時折見せる「ほんわ~」とした屈託のない笑顔にぴったりだと思い、セレクトした。
小栗旬が『クローズZERO』で初めて不良高校生役を演じ、大成功を収めたことは記憶に新しいだろう。竹内は赤髪坊主頭にしても似合うし、純粋無垢な顔と攻撃的な表情、どちらも説得力豊かに表現し、従来の柔和なイメージとはかけ離れた役柄も見事に演じ切ってくれるはずだ。
思い返すと、桜木は作中随一の名セリフ製造機でもある。「天才ですから」「ヤマオー(山王)は、俺が倒す!! by天才・桜木!!」といった自信満々なフレーズから、映画版ではカットされ、賛否を呼んでいる、晴子に対して告げる「大好きです 今度は嘘じゃないっす」という泣ける発言に至るまで、印象的なセリフは枚挙にいとまがない。
原作の読者であれば言うまでもないことだが、先のセリフは、晴子のことを好きだという告白ではなく、かつて彼女に「バスケットは…お好きですか?」と部に誘われ、「大好きです スポーツマンですから」と勢いで返した言葉の変奏であり、様々なライバルとの戦いを通して夢中になっていったバスケットボールというスポーツへの美しい愛の告白である。
世界的人気を誇る韓流ドラマの日本版リメイク『六本木クラス』を成功に導き、オリジナルのパンチラインを見事自分のものにしてみせた竹内涼真であれば、伝説の名セリフの数々を難なく自分のものにしてくれるはずだ。