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「こんなのモンハンではない!」
ゲームファンから不評を買った残念な実写化

『モンスターハンター』(2020)

ナタリー・アルテミス役のミラ・ジョヴォヴィッチ【Getty Images】

監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャー、ティップ・“T.I.”・ハリス、ミーガン・グッド、ディエゴ・ボネータ、ジョシュ・ヘルマン、ジン・アウヨン、ロン・パールマン

【作品内容】

人間が多種多様なモンスターと共存している新世界。強力な生物を狩るために訓練された戦士であるハンターは、角の生えた地底のモンスター「ディアブロス」に船を襲われ、チームと離ればなれになってしまう。

【注目ポイント】

熱心な“モンハンファン”と、プレイしたことのない人の間で、意見が割れた作品である。後者からは「映画として普通に面白かった」という声もチラホラ聞かれるが、前者からしてみたら「こんなのモンハンではない!」と言いたくなる出来栄えだったようだ。

前半では、ゲーム版『パシフィック・リム』の訓練シーンに酷似した、人間同士の戦いが描かれるが、イマイチ盛り上がりに欠ける上、長尺すぎるという印象を受ける。モンハンを知らない観客のために、世界観を説明する意図があったと推測されるが、ゲームファンからすれば、冗長なシーンに見え、逆効果となってしまった。

続けて、モンハンファンの声を代弁しよう。「ディアブロス」「リオレウス」「ゴアマガラ」といった人気モンスターを出したいのはわかる。だが、2018年に発表された『モンスターハンター:ワールド』を元にした世界観であれば、ラスボスを務めるのはゴアマガラではなく、「ネルギガンテ」が適任だったのではないか。その点も、ゲームの世界観を活かしきれていないという印象だ。

モンハンの醍醐味は何と言っても、狩猟→装備強化→狩猟のループである。そこをもっとテンポよく表現できていれば…。ゲームファンからしたら「痒いところに手が届かなかった」という感想が正直なところだろう。

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