実は春町と歌麿は兄弟弟子?

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第19話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第19話 ©NHK

 こうして耕書堂から「100年先の江戸の未来」を描いた「無益委記」が刊行され、現在、国立国会図書館デジタルコレクションで全ページ閲覧できる。見ていただければわかるが、恋川春町は、芯からカタブツなわけはない。絶対、心の中にオモロ な―部屋を持っている人だ。100年先は、長い髷が流行るとか、6月に寒波が来て、汗がつららになるとか。おとぼけチックな絵がまたいい!

 そもそもペンネームに「恋」という漢字をあてるあたり(由来は小石川の〝こい〟らしいが)、ロマンチック大王に決まってるじゃん!

 ちなみに、恋川春町の師匠は鳥山石燕。18話で幼き唐丸に妖怪の絵を教えていた、不思議じいさんである。片岡鶴太郎が不気味かつ崇高に演じていた。

 つまり、春町と歌麿は大きな意味で兄弟弟子。歌麿は「春町の絵が好き」と言っていたが、自然と何かを感じ取っていたのかもしれない。二人が、師匠との思い出話を和やかに話すシーンがあったらいいなと思う。

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