来世で結ばれるふたりの誓い

甘露寺蜜璃&伊黒小芭内

ufotable公式Instagramより
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『鬼滅の刃』終盤を飾るのは、鬼の頂点・鬼舞辻無惨との壮絶な最終決戦。第21巻からクライマックスまで続くこの戦いでは、上弦の鬼をすべて討ち果たした鬼殺隊の柱や隊士たちが総力を結集し、夜明けまで無惨を押しとどめる死闘が繰り広げられる。その代償はあまりにも大きく、数多くの命が散っていった。

 なかでも、伊黒小芭内と甘露寺蜜璃のふたりに訪れた別れのシーンは、読者の心に深く刻まれた。

 戦いのなか、甘露寺は致命傷を負い、伊黒もまた炭治郎を庇って倒れる。死を悟ったふたりは、ついに互いの想いを告白する。

 甘露寺は、食べる量の多さや並外れた筋力を理由に、過去に「女性らしくない」とされてきたことに強いコンプレックスを抱えていた。一方の伊黒も、生まれつきの容貌と血筋により人々から忌避され、「普通」から遠く離れた人生を歩んできた。

 しかし、そんなふたりが初めて出会ったとき、互いに「普通の人」として接することができた。その瞬間こそが、彼らの間に育まれる絆の始まりだった。互いの“異質”を受け入れ合うことで、伊黒と甘露寺は少しずつ心を通わせていく。

『鬼滅の刃』の物語において、恋愛描写は控えめに描かれることが多い。しかし、このふたりの穏やかで静かな愛の表現は、シリーズ随一のラブストーリーといっても過言ではない。

 死にゆく間際、伊黒は「来世では君と結ばれたい」と願い、甘露寺もまた「ふたりで普通の暮らしがしたい」と応える。鬼のいない世界で、何の恐怖もなく肩を寄せ合い、笑い合うふたりの姿を想像するだけで、胸が締めつけられるような想いが込み上げてくる。

 この別れは哀しみに満ちているが、それでもなお温かく、愛に満ちた別れだった。最終決戦のなかに差し込まれた静かな光。ふたりの願いが来世で叶いますように…多くの読者がそう願わずにいられなかったが、その願いは最終回、鬼の存在しなくなった世界で果たされることとなった。

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【了】

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