本人は死ぬまで納得しなかった…

アレック・ギネス『スター・ウォーズ』(1977)

アレック・ギネス
アレック・ギネス【Getty Images】

監督:ジョージ・ルーカス
脚本:ジョージ・ルーカス
出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・

【作品内容】

 帝国支配下の銀河で、反乱軍は要塞デス・スターの設計図を奪取。R2-D2が救援信を託されタトゥイーンへ。青年ルークは隠遁していたジェダイ、オビ=ワンと出会い、フォースや帝国の真実を知る。

【注目ポイント】

 映画界には数々の名作があるが、それらが俳優にとって必ずしも素晴らしい思い出とは限らない。中には出演を後悔する者も少なくない。1977年公開の『スター・ウォーズ』でオビ=ワン・ケノービを演じたアレック・ギネスもその一人だ。歴史的名作とされる本作だが、彼は撮影当初からこの仕事に複雑な思いを抱いていた。

 アレック・ギネスは、イギリスを代表する名優として知られ、1959年には大英帝国勲章とナイトの称号を授与された。1994年には舞台での功績が認められ、コンパニオン・オブ・オナー勲章も受章している。舞台俳優として活躍し、多くの映画に出演してアカデミー賞も獲得した。そんな彼が晩年に苦言を呈していたのが、『スター・ウォーズ』であった。

 ギネスは脚本を初めて読んだとき、友人への手紙で「おとぎ話のゴミ」と評し、最初の給料を2倍にすることと、映画の宣伝はしないという条件で出演を同意したという。しかし、撮影中には「お金は別として、この映画に関わったことを後悔している」と本音を漏らし、長台詞の多さや台詞の陳腐さにも不満を抱いていたという。

 さらに、ギネスの自伝には、ファンとの距離感にも悩まされ、熱狂的な若い観客から「100回観た」と言われた際、「二度と観ないと約束するならサインしてあげる」と返した逸話が残っている。

【著者プロフィール:阿部早苗】

仙台在住の元エンタメニュース記者。これまで洋画専門サイトやGYAOトレンドニュースなど映画を中心とした記事を執筆。他にも、東日本大震災に関する記事や福祉関連の記事など幅広い分野で執筆経験を積む。ジャンルを問わず年間300本以上の映画を鑑賞するほどの映画愛好家。

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