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豪華声優陣の無駄遣い…?
突飛すぎる設定で観客を置いてけぼり

『バブル』(2022)

製作国:日本
監督:荒木哲郎
脚本:虚淵玄、大樹連司、佐藤直子
キャラクターデザイン原案:小畑健
キャスト(声優):志尊淳、りりあ。、広瀬アリス、宮野真守、梶裕貴

【作品内容】

物語の舞台は謎の巨大な泡(バブル)に包まれ、降り注ぐ泡で水没し、重力が壊れた東京。ライフラインが閉ざされた東京は、若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。

ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたヒビキ(志尊淳)は無軌道なプレーで重力が歪む海へ落下してしまう。そこに現れた、不思議な力を持つ謎の少女ウタ(りりあ。)がヒビキの命を救う。そして、2人にだけ特別な音が聞こえる。しかし、一体なぜ、ウタはヒビキの前に現れたのか…。

【注目ポイント】

メインキャラクターの声を担当した声優の宮野真守Getty Images

本作の製作費は公式には発表されてはいない。しかし、公開前にはテレビCMを盛んに流すなど、プロモーションに力を注いだにもかかわらず、興行収入は約6500万円という爆死ぶり。

どういう経緯で泡が東京を占領したのか、そもそも泡とは何なのか、主人公・ウタがなぜ感情を持つに至ったのか。それらの大事なポイントがクリアに説明されない。ウタがヒビキに恋心を抱くくだりも説得力に欠け、アニメファンを納得させることができなかった。

説明不足な点は、鑑賞者に考察を促すというポジティブな側面も持つが、一方で、考察ありきの脚本など端から破綻しているとも言える。第一、この作品はどの客層を想定して製作されたのだろうか。考察に長けたアニメファン向けか、アニメ好きの子ども向けなのか。ターゲットが不明瞭なのだ。

豪華な声優陣に加え、『進撃の巨人』を手掛けた荒木哲郎監督による映像美には一定の評価が与えられた。しかし、肝心の設定や脚本が突飛過ぎたのか、鑑賞者を置き去りにするような展開が目立つ、感情移入できない作品に仕上がってしまった。

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