涙なしでは観られない…。
劇場版「クレヨンしんちゃん」史上最も泣ける一作
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)
上映時間:90分
監督:原恵一
脚本:原恵一
原作:臼井儀人
出演者:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、真柴摩利、林玉緒
【作品内容】
“20世紀博”というテーマパークができたことで、大人たちは異常な程ハマっていき、ある日突然、かすかべ中の大人たちが姿を消してしまった。しんのすけは家族を取り戻すために陰謀を暴き、大人たち、そして黒幕に戦いを挑む。
1992年にアニメが開始され、30年以上経った今でも人気を博す「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズの9作目。興行収入は14.5億円で、この年『千と千尋の神隠し』をはじめアニメ映画が名を連ねる中、邦画でのランキングで見事トップ10入りを果たした。
【注目ポイント】
昭和の匂いによって洗脳されていく大人たちは、邪魔をする子供たちに敵意むき出して襲ってくる。それでも諦めずに大人たちと戦い、家族を救おうとするひたむきなしんのすけの姿は共感を誘い、応援する気持ちをかき立てる。
洗脳を解くために、ひろしに彼の靴の匂いを嗅がせるしんのすけ。するとひろしは、自身の幼い頃からみさえとの出会い、家族ができるまでを思い出していき、最後は泣きながらしんのすけを抱きしめる。アニメシリーズでは、いつもひろしの足が臭いとお決まりのネタがあるが、まさか足の匂いで泣くとは誰も想像し得なかったに違いない。「クレヨンしんちゃん」ファンであれば大号泣間違いなしの名シーンである。
そして物語の終盤、しんのすけが東京タワーの階段を何度も転んでケガをしながら、駆け上がっていくシーンでは、家族を守り抜き、ずっと一緒にいたいという強い気持ちがその表情からひしひしと伝わる。観る者の涙腺を崩壊させると同時に生きる希望を与えてくれる、生きているうちに一度は観ておきたい一本だ。