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凡人には理解できない?
天才芸人の頭の中を具現化した迷作

松本人志『しんぼる』(2009年)

監督:松本人志
脚本:松本人志、高須光聖
プロデューサー:岡本昭彦
キャスト:松本人志、デヴィッド・キンテーロ、ディック東郷、ミステル・カカオ、佐々木大輔

【作品内容】

メキシコのとある町。家族と幸せに暮らすプロレスラー「エスカルゴマン」は、プロレスの試合の日も、平和な朝を迎えていた。一方、時同じくして、水玉模様のパジャマを着たマッシュルームカットの男は、白い壁に囲まれた部屋に閉じこめられていた。男はその部屋から脱出を試みるが―。

【注目ポイント】

松本人志
松本人志Getty Images

本作は、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志による第二回監督作品。松本自身が主演を務めている。

非公式ながらカンヌ国際映画祭で上映され、興行的にも成功を収めたデビュー作『大日本人』から2年。「想像もつかない何かが起こる」というキャッチコピーの本作では、松本自身「93分間に思いを詰め込んだ」と自信満々にコメントし、数多くのメディアでプロモーション活動を買って出たが、前作の半分以下の興行収入で終わってしまった。

松本の作品の難点は、作品の設定やストーリーが独特でテーマやメッセージがまるで伝わってこないことにある。こと本作の場合は、「松本ワールド」全開で、“分かってくれる人だけ分かればいい”という松本のスタンスがより色濃く出ており、完全に観客を置いてけぼりにしている。

本作の後、『さや侍』(2011)、『R100』(2013年)と駄作を連発し、映画製作から身を引いた松本。今年還暦を迎え、引退もほのめかしていることから、再びメガホンを取る可能性は低いだろう。

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