初代クルエラに負けない再現度
ヴィランでありながら女性達の憧れの存在に
『クルエラ』(2021)
監督:クレイグ・ガレスピー
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ、ジェズ・バターワース、デイナ・フォックス、ケリー・マーセル、トニー・マクナマラ、スティーヴ・ジシス
原作:ドディー・スミス
出演者:エマ・ストーン、エマ・トンプソン、ジョエル・フライ、ポール・ウォルター・ハウザー、マーク・ストロング
【作品内容】
デザイナーを志す情熱と野心に燃えるエステラ。しかしカリスマ的ファッションデザイナーのバロネスとの出会い、大きく運命が変わっていく。なぜエステラが狂気に満ちたクルエラとなったのか、その秘密が明らかになる…。
アニメ『101匹わんちゃん』に登場した悪役クルエラの誕生秘話を、『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』『ラースと、その彼女』のクレイグ・ギレスピーがメガホンを取り、『ラ・ラ・ランド』(2016)のエマ・ストーン主演で実写映画化した。
【注目ポイント】
本作はヴィラン(悪役)に焦点を当てた作品となっており、『101匹わんちゃん』を知らない人でも楽しむことができる。一方、オリジナルを知っている人は、クルエラがなぜ悪者になったのかを知ることで、さらにディズニーの虜になっていくだろう。
1996年に公開された実写映画『101』もディズニーファンの間で評価が高い一作だ。特にグレン・クローズの演じたクルエラは再現度が高く、そのハードルを越えることは難しいと思われていたが、本作でクルエラに扮したエマ・ストーンは、プレッシャーをもろともしない堂々とした演技で古参ファンをも魅了した。
時代背景が70年代ロンドンということもあり、パンクでファッショナブルな雰囲気を存分に楽しむことができるのも素晴らしいポイントだ。クルエラのファッションや強気な性格、たくましく生きる姿がふんだんに盛り込まれており、観ると自己肯定感が上がること請け合い。
本作によってクルエラは、ヴィランでありながら女性の憧れの的にもなった。