社会の波に揉まれた人々の心に響く作品
SNSでも話題となったたくさんの名言たち
『プーと大人になった僕』(2018)
監督:マーク・フォースター
脚本:トム・マッカーシー、アレックス・ロス・ペリー、アリソン・シュローダー
原作:A・A・ミルン『クマのプーさん』
出演者:ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェル、ジム・カミングス、ブラッド・ギャレット
【作品内容】
大人になったクリストファー・ロビンは妻や娘と暮らしながら、仕事に追われる日々を送っていた。しかし、忙しすぎるゆえに家族との約束も守ることができず、思い悩んでいた彼の前に、子供の頃に別れたかつての親友、プーが現れる。
『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン・ケノービ役などで知られるユアン・マクレガーが大人になったクリストファー・ロビンを演じ、『007 慰めの報酬』『ネバーランド』のマーク・フォースター監督がメガホンをとった。
【注目ポイント】
ディズニー屈指の愛されキャラ・クマのプーさん。世界中の人から親しまれる同キャラクターが実写化されることが決まると、ファンの間では期待とともに不安の声も多く聞かれた。
しかし、実写版でもプーさんの愛らしさは変わることなく、ファンたちは、現実世界の中に紛れ込んだしゃべる黄色い熊のキュートな佇まいに心を撃ち抜かれた。
大人になったクリストファー・ロビンは、忙しい日々に追われるいわゆる社畜で、我々が知っている面影はない。しかし、本作では、それがプーさんの存在を際立たせるための重要なフックとなっており、観る者は、両者の交流を通して「人生を豊かに生きるために本当に大切なことは何か」という問いに直面していく。
本作は名言が豊富であり、公開後SNSでも話題となった。仕事の話ばかりしているクリストファー・ロビンに対して、プーさんは「それは風船よりも大切?」「何もしないは最高の何かに繋がる」と告げる。
このセリフは、日夜仕事に追われ、心のゆとりをなくしている現代の大人たちにこそ刺さる言葉だろう。
親しい人と一緒に鑑賞して、温かい気持ちになるのはもちろん、人生に行き詰っている人たちにこそぜひ観てほしい作品だ。