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1500もの証拠が残るイギリスでのポルターガイスト事件
ミステリー映画としても見ごたえあり

『死霊館 エンフィールド事件』(2016年)


出典:Amazon

上映時間:134 分
製作国:アメリカ
監督:ジェームズ・ワン
脚本:チャド・ヘイズ、キャリー・ヘイズ
キャスト:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、サイモン・マクバーニー、フランカ・ポテンテ、ローレン・エスポジート、ベンジャミン・ヘイ、パトリック・マコーリ

【あらすじ】

ロンドン北部のエンフィールドに住むホジソン家は、次女ジャネットの夢遊病や、怪奇現象に悩まされていた。ある夜、怪現象に怯えた一家は家を飛び出し警察を呼ぶ。警察がホジソン家を捜索すると、警察の目の前で怪現象が起こり、ホジソン一家での出来事はメディアでも話題となっていく。

アメリカの心霊研究家のウォーレン夫妻は、教会からホジソン家の調査を依頼され、イギリスへと渡ることになるが、妻・ロレインは自身が見た不気味なシスターの夢に不安を抱いており…。

【注目ポイント】

女優のヴェラ・ファーミガ
主演のヴェラファーミガGetty Images

1977年にイギリスのイングランド南東部にあるインフィールド区で起こった事件を題材とした作品。「エンフィールドのポルターガイスト」と呼ばれた実際の事件では、シングルマザーの母親・ペギーと7歳から12歳までの4人の子供たちからなるホジソン一家が、2年以上も継続してポルターガイスト現象に見舞われた。

同地区では、警察官や調査員、報道関係者らも怪現象を体験しており、記録された怪現象の証拠は1500を超える。

具体的な現象としては、家具が床を滑る、家具が倒れる、おもちゃや段ボール・枕・服などが宙を舞う、自然発火が起こる、老女や子供の幽霊が目撃される…など。挙句の果てには、次女のジャネットが空中を浮遊するシーンがあり、観る者の度肝を抜く。

ホジソン家で度重なる怪奇現象の原因を突き止めるため、英国心霊協会のモリス・グロスとガイ・ライアン・プレイフェアは、ポルターガイスト現象の調査に着手。

調査の結果、ホジソン家の心霊現象は実在性が求められることに。調査結果はイギリスで論争を巻き起こしたが、その後、次女ジャネットによるいくつかの自作自演の証拠が見つかったことも相まって、実在性を疑う声も多く聞かれた。

しかし、本作の主人公のモデルになった、悪魔研究家の夫・エドと霊媒師の妻・ロレインの二人で超常現象を研究しているウォーレン夫妻は、ホジソン家でのポルターガイスト現象は本物だと結論づけている。

物語はウォーレン夫妻による調査の形式で進むため、謎が紐解かれていくミステリーの要素もある。驚かせたり怖がらせたりするだけの単なるホラーとは一線を画した、超常現象の解明にまつわる描写の説得力も本作の魅力の一つだろう。

なお、悪魔祓いを成功させた映画の結末とは異なり、実際の怪現象は1979年に自然と止んだそうだ。

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