35歳で初めてメジャーの地を踏んだ
剛速球左腕の感動秘話
『オールド・ルーキー』(2002)
原題:The Rookie
監督:ジョン・リー・ハンコック
脚本:マイク・リッチ
キャスト:デニス・クエイド、レイチェル・グリフィス、ブライアン・コックス
【作品内容】
小さい頃から野球漬けの日々を送っていたジム・モリス(デニス・クエイド)は、順調にキャリアを築き、マイナーリーグのチームに入団したはいいものの、肩を壊して若くして引退した。35歳になったジム(デニス・クエイド)は、妻と3人の子供に恵まれ、高校教師として忙しい日々を送っている。しかし、心の中ではずっとメジャーリーガーになる夢を諦めきれないでいた。そんなある日、ジムは教え子のジョエル(アンジェロ・スピッツィリ)に、夜に1人でピッチング練習をしている姿を目撃される。ジョエルに懇願され、ジムは彼が構えるミットに全力の球を投げ込む。すると、その球は並外れた球威を誇っていた…。
クリント・イーストウッド監督『パーフェクト・ワールド』(1993)のシナリオを担当した、ジョン・リー・ハンコックがメガホンをとり、演技派俳優・デニス・クエイドが主役のジム・モリスを演じている。
若くして野球生命を絶たれた高校教師の男が、長きにわたるブランクをものともせず、35歳にしてメジャーリーガーとなる。そんな嘘のような実話を映画化。夢に挑戦するにはリスクがともなう。周囲から反対されながらも、我が子に雄姿を見せるため、安定した生活を全て投げ捨てて、野球に身を捧げる姿に目頭が熱くなる。挑戦する心を奮い立たせてくれる、スポーツ映画の名作の1つだ。
モデルとなったのは、史上最年長でメジャーデビュー
最速156キロ左腕・ジム・モリス
映画『オールド・ルーキー』のモデルとなったのは、元メジャーリーガーのジム・モリス。1999と2000年の2シーズンだけ、デビルレイズに在籍し、通算21試合0勝0敗、防御率4.80という成績を残した。
成績だけみればいたって凡庸だが、35歳にしてメジャーデビューを果たした元高校教師の三児の父親が残した数字だと言えば、見え方が変わるだろう。プロデビュー戦では、レンジャーズのロイス・クレイトンを空振り三振に打ちとり、世間をあっと言わせた。
引退後は、故郷のテキサスにもどったジム・モリス。映画『オールド・ルーキー』によってその名は全米に広がり、各地で講演会を開くなど、忙しい日々を送っているようだ。映画では、審判役としてカメオ出演もしている。