8位:ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(2009)
製作国:イギリス
原題:Nowhere Boy
監督:サム・テイラー=ウッド
脚本:マット・グリーンハルシュ
出演:アーロン・ジョンソン、クリスティン・スコット・トーマス、アンヌ=マリー・ダフ
【物語の奥深さ】★★★☆
【音楽の高揚感】★★★
【再現度】★
風変わりな家庭環境で育った若き日のジョン・レノンを描いた青春ドラマ。舞台は1950年代のイギリス・リバプール。伯母のミミ(クリスティン・スコット・トーマス)のもとで育ったジョン(アーロン・ジョンソン)は、ある日、近所に実母のジュリア(アンヌ=マリー・ダフ)が住んでいることを知り、ミミに内緒で会いに行く。
保守的で真面目なミミとは異なり、自由気ままな生活を送るジュリア。ジョンは実母からロックミュージックの素晴らしさを教えられると、音楽活動に没頭していく…。
ジョン・レノンは、言わずと知れた20世紀を代表するロックバンド「ビートルズ」のリーダー。グループ解散後はソロアーティストとして精力的に活動し、『イマジン』や『ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)』など、後世に歌い継がれる名曲を発表。1980年に自宅前で銃撃を受け、早すぎる死を遂げた。
物語は、実母・ジュリアの娘(ジョンにとっては異父妹)であるジュリア・ベアードの手記をもとに構成されており、ジョンと2人の母との交流や葛藤に焦点がしぼられている。
とはいえ、盟友であるポール・マッカートニーとの運命的な出会いなど、ビートルズファンであれば思わず胸がアツくなるエピソードも盛り沢山だ。
バンド結成前夜を描いた作品であるため、ビートルズの有名曲は使用されていない。
とはいえ、ジョンが初めて作曲した「ハロー・リトル・ガール」や、エルビス・プレスリーをはじめとする、彼に影響を与えた楽曲がふんだんに使われており、音楽映画としても十分に魅力的だ。
主演のアーロン・ジョンソンは透き通った歌声で若かりし頃のジョンを熱演しているが、見た目がまったく似ておらず、再現度はあまり高くない。