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「ハロウィン・タウンに住みたいとずっと思っていた」
ダークな世界観が魅力のディズニー映画

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993)

撮影:宮城夏子
撮影宮城夏子

―――こちらは、ダークでファンタジックな世界観のディズニー映画ですね。

「ディズニーの中で唯一好きな映画ですね。これも、基本、暗い世界観なのですが、死者の街「ハロウィン・タウン」の王様であり主人公、ジャック・スケルトンは、とても明るい性格なんですよ。でも、自分の意思とは反するところで、人間を苦しめてしまうという、これまた僕好みの、人間と人間以外の者の温度差が表現されたストーリーでして。

こちらも小学生のころに何度も観ましたねえ。ジャックのようになりたい、ハロウィン・タウンに住みたいとずっと思っていましたから」

―――またまた、周囲とは話が合わなさそうですね~。

「ええ。ご多分に洩れず(笑)。ハロウィン・タウンの市長であるメイヤーが三角錐型の顔で、地域の仮装パーティーがあった際に彼のコスプレをして行ったのですが、友達はみんな元ネタを当然知らず、ものすごく浮いていましたね(笑)」

―――やはり!

「でも、その頃になると、『みんなとは違うんだぜ!』という優越感の方が勝っていましたかね。『え?お前ら、知らないの!?』みたいな。一方、どこかでみんなが知らない自分が好きなものを教えてあげたい、共有したいといった気持ちもあったんです」

―――ああ~、もどかしいですね~。

「で、思ったのですが、この映画のジャックもまさにそんな考え方のキャラクターなんですよ。自分が良かれと思って人間の子供に差し上げたものがゴキブリで、すごく嫌がられる。本当は一緒に遊びたいのに共有できないという彼のジレンマに、とても共感したとでも言いますか」

―――心の中で優越感に浸っていても、誰にも相手にされないと、あまり意味ないですものね。

「そうなんです。で、何で、そんな感覚の少年時代だったのか?と、ふと振り返ると、先ほど話した親のせいにするわけではないのですが、『ヤマトタケル』も含めて、親からは暗い映画ばかり観させられてきたんですね。『ダンボ』や『ピノキオ』も、何だかちょっと怖いし、『ゲゲゲの鬼太郎』は、自分の意思で好きになりましたが、原作の『墓場鬼太郎』は、やっぱり怖いですし。うん、全部、親が元凶なんです(笑)!」

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