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前時代的な日本を詰め込みすぎた『X-メン』のスピンオフ作品

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)

真田広之
真田広之【Getty Images】

上映時間:125分
原題:The Wolverine
製作国:アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:マーク・ボンバック、スコット・フランク
キャスト:ヒュー・ジャックマン、真田広之、TAO(岡本多緒)、福島リラ、ハル・ヤマノウチ、ウィル・ユン・リー、ファムケ・ヤンセン、山村憲之介、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワート、スベトラーナ・コドチェンコワ、ブライアン・ティー、小川直也、角田信朗

【作品内容】

ウルヴァリンは、かつて、長崎への原爆投下から命を守ったヤシダ(真田広之)に請われて、来日する。

実業家として成功していたものの、病魔によって死の淵にあるヤシダに「不老不死の苦しみから解放する」と告げられるウルヴァリン。ヤシダはほどなくして死去する。

ヤシダの葬儀が執り行われるが、そこにいた僧侶たちには刺青が…。僧侶に化けたヤクザに襲われ、銃撃された上に、ヤシダの孫娘マリコ(TAO)を拉致されてしまう。

それはヤシダの後継者争いであり、巻き込まれる形となったウルヴァリンだが、不老不死の力を奪われたまま戦い続けることになる。

【注目ポイント】

『X-メン』シリーズのスピンオフ第2弾の本作。不老不死の能力を持つ人気キャラクター「ウルヴァリン」を演じるのは、もちろんヒュー・ジャックマンだ。

ウルヴァリンの前に現れた敵は、鎧を着て日本刀を振り回す武士もどきや忍者、そして黒服のヤクザ、しまいには侍の形をしたロボットまで登場し、しかもそのロボットの正体は、亡くなったはずのヤシダというワケの分からなさだ。

真田広之をはじめ、日本人キャストを多く起用し、日本ロケも行っている本作。そうであるならば、日本の近代的で清潔な街並みを知らないはずはないのだが、描かれている日本は、ヤクザが社会を支配し、刀で戦いを挑むような世界だ。

キャストを含む製作スタッフが、こうした日本の描き方をどう捉えているのかは知る由もないが、あまりにもハリウッドからの視点が前時代的で、アップデートされていないことが分かる作品といっていいだろう。

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