「ラセターさん、ありがとう」
そんなラセターに対し、宮崎も感謝の意を表している。
特に、2003年にジブリが制作した“ビデオレター”『ラセターさん、ありがとう』では、渡米した宮崎に対し、ピクサー社内や実家を案内するラセターの貴重な映像が収められている。
また、他にも宮崎は、『となりのトトロ』の大ファンであるラセターにメイのモデルとなった自身の姪を合わせたり、サプライズ好きのラセターのためにアポなしでピクサーを訪問したりと、ラセターを喜ばせるさまざまなイベントを仕掛けているという。
先に挙げた『ラセターさん、ありがとう』には、宮崎とラセターが互いの創作論に触れるシーンがあり、スタジオジブリとピクサーの制作体制の違いがはっきりと浮き彫りになっている。
しかし、両者に通底するアニメーションへの愛情は、決して変わらない。このアニメーションへの愛こそが、二人の友情の礎になっているのかもしれない。
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