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映画史に残る幻のキャスティングとは? 名作映画のオファーを蹴った有名俳優のエピソード5選。知られざる逸話を紹介

text by 寺島武志

世界中で大ヒットを飛ばした、ハリウッドの名作たち。あのキャスト以外考えられない!というハマり役も多い中、元々は別の有名俳優が先にオファーされていた、という話は珍しくない。今回は、そんな有名役者がオファーを蹴った映画を5本セレクト。舞台裏から垣間見える、名俳優たちの役者としてのこだわりや戦略にも注目だ。(文・寺島武志)

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人気女優ならではの大作同士のオファーバッティング
選んだのはプリンセス姿の自分

辞退→エマ・ワトソン 抜擢→エマ・ストーン
『ラ・ラ・ランド』(2016)


出典:Amazon

上映時間:128分
原題:La La Land
製作国:アメリカ
監督:デミアン・チャゼル
脚本:デミアン・チャゼル
キャスト:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ローズマリー・デウィット、J・K・シモンズ、キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、フィン・ウィットロック、ジョシュ・ペンス

【作品内容】

ハリウッドを舞台に、女優志望の女性・ミア(エマ・ストーン)と自分のジャズクラブを開くことを夢見るピアニストの男性・セブ(ライアン・ゴズリン)の恋を描いたミュージカル映画。

【注目ポイント】

エマ・ストーンとエマ・ワトソン
左からエマストーンとエマワトソンGetty Images

アカデミー賞では史上最多の14ノミネート、デミアン・チャゼル監督が史上最年少の監督賞に輝き、ヒロイン役のエマ・ストーンも主演女優賞でオスカーを手にした名作だ。

しかし、企画段階では、ミア役としてキャスティングされていたのは、『ハリー・ポッター』シリーズに出演し、2009年には「過去10年間で最も興行収入を稼いだ女優」としてギネス世界記録に認定されるほどの超一流女優、エマ・ワトソンだった。

ワトソンはなぜ、このオファーを蹴ったのか。そこには人気女優ならではの理由があった。実はこの時すでに、ディズニーアニメの実写映画『美女と野獣』への出演が決まっていたのだ。

チャゼル監督の口から、“主役候補”として名前が出されたことについて、何も決まっていない状態で発表されたと不快感をあらわにしたワトソン。だが一方で、同じミュージカル映画である『美女と野獣』に専念するための苦渋の決断だったことも明かしている。

ワトソンは、『ラ・ラ・ランド』について、「ミュージカルが時代の流れの中に戻ってきているようで、この作品は素晴らしいと思った」と称賛している。

数々の賞を獲得した『ラ・ラ・ランド』だが、興行収入面ではわずかながら『美女と野獣』に軍配が上がっている。

ちょっとしたタイミングのズレが生み出した運命のイタズラとも思えるが、仮にワトソンがミア役を演じていたらどうなっていたか…。今となっては、その答えは誰も知ることはできない。

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