2021年のシーズン1配信から2年
脱走兵追跡官D.P.の活躍を描いたヒット作の続編

『D.P.ー脱走兵追跡官ー』

【作品内容】

シーズン1は、脱走兵チョ・ソクポンが自殺を試みた直後、同じく部隊内のいじめに耐えかねたソクポンの友人キム・ルリが銃を乱射する場面で終わっていた。

シーズン2 では、逃亡したキム・ルリを捕えるために特別捜査団が編成され、D.P.のアン・ジュノ、ソクポン事件以来PTSDで療養していたハン・ホヨルも捜索に加わることに。

軍の作戦により実家におびき出されたキム・ルリが兵士らに囲まれる中、ホヨルはタブレットを手にして現場の様子を撮影し始める。射殺も辞さない構えの軍に対抗し、「撮っているから誰もおまえを撃てない」とキム・ルリの援護に回るホヨルとジュノ。「（無念は）生きて晴らそう」というホヨルの説得もあり、キム・ルリは投降し、裁判が開かれることになる。

【注目ポイント】

キム・ルリの投降後、テレビでは「グ・ジャウン法務室長が投降を説得。軍当局の迅速な対応により終結」と、軍にとって都合のいいように報道される。ジャグンはキム・ルリを説得するどころか、「人を撃ちやがって。自分も一緒に死んでくれよ」と口にしていた人物だ。軍で起きたさまざまな事件を隠蔽しようとする軍上層部に対し、真実を求めて奔走するのがジュノやホヨルの上官であるパク・ボムグ中士、そしてイム・ジソプ大尉だ。

ある日、軍が事件記録を捏造した機密データが入ったUSBが2人の手に渡る。ロックを解除される前にUSBを取り戻そうとする軍上層部が2人に圧力をかける中、機密データの存在を知ったアン・ジュノがある大胆な行動に出る。彼らの必死の行動は果たしてどんな結末を迎えるのか。

ハン・ジュニ監督自身が語っているが、本作は「軍隊で起きていることは個人の問題なのか」という問いに真っ向から挑んでいる。グ・ジャウン法務室長役のチ・ジニ、イム・ジソプ大尉役のソン・ソック、パク・ボムグ中士役のキム・ソンギュンらによる白熱の法廷シーンは最大の見せ場になっており、作り手たちの心意気が強く感じられた。

ちなみにシーズン2は主人公のアン・ジュノが除隊まで364日を残したところで終わるが、彼がその後どんな軍隊生活を送ったのか、シーズン3の制作を期待せずにはいられない。

（文・古舘美和）

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