2「彼が断ることのできないオファーをしてみせる。(I’m Gonna Make Him an Offer He Can’t Refuse.)」
ヴィトー・コルレオーネ『ゴッドファーザー』
映画『ゴッドファーザー』に登場する、コルレオーネ・ファミリーのリーダーである、ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)。彼は物語の始めから、世話好きで、思いやりのある人物として描かれる。
ある日、中年歌手のジョニー・フォンタンが、ヴィトーの前に現れる。その理由は、映画に出演し、キャリアの立て直しを図ろうとするが、ハリウッドの撮影スタジオのボスであるジャック・ウォルツが仕事を与えてくれないため、解決策を求めにきたのだ。
その日、ヴィトーはジャック・ウォルツの考えを変えさせるとフォンタンに約束する。その際に発したのが、この台詞だ。
ヴィトーは、相談役を務める弁護士のトム・ヘイゲン(ロバート・デュバル)を送り込み、彼と話をさせるが、抵抗を示したため、別の作戦を実行する。それは、ウォルツの愛馬の頭部を切断し、ベッドの上に置くという内容であった。
ヴィトーは自らの地位と権力を背負い、誰もが拒絶できない存在。彼の決して断れないオファーを受けた人にとっては、永遠の心の傷となるかもしれない。