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『ラストレター』(2020)

監督:岩井俊二
原作:岩井俊二
脚本:岩井俊二
キャスト:松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七菜、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治

【作品内容】

岸辺裕里(松たか子)は亡くなった姉・未咲の葬儀に参列。未咲の一人娘である鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と未咲が遺した手紙の存在を教えてもらう。裕里は未咲の死を知らせるため同窓会に出席する。しかし、姉が死んだことを告げることができないばかりか、未咲に勘違いされ、誤解を解くことができない。未咲の初恋の相手である鏡史郎(福山雅治)と文通をすることになった裕里は、姉になりすまして手紙のやり取りを続けるのだったが…。

原案・脚本・編集・監督と1人4役を務めた岩井俊二が、30年以上ものキャリアを通じて初めて故郷・宮城を舞台に撮りあげた、集大成となるラブストーリー。福山は初恋の記憶を忘れられないでいる、小説家の男を演じている。

【注目ポイント】

岩井俊二の長編劇映画デビュー作『Love Letter』(1995)のモチーフを引き継いだ作品である。『Love Letter』では、中山美穂が一人二役を演じ、両者は手紙を通じて交流する。一方、『ラストレター』では、主人公の裕里(松たかこ)が亡くなった姉・未咲になりきり、姉の初恋の相手と手紙を交わし合う。

『ラストレター』では分身関係はさらに複雑化している。姉妹それぞれの娘は若かりし頃の母親と瓜二つなのだ。映画では、学生時代の未咲と裕里を広瀬すずと森七菜が演じ、現在のシーンでは同じ2人が今度は未咲と裕里の娘を演じている。

福山が演じた小説家の男は、未咲の初恋の相手であり、回想シーンでは神木隆之介が演じている。松たか子演じる裕里を未咲であると勘違いし、夜のバス停でおずおずと声をかける姿は、自信なさげで、見るからに女性慣れしていない。

『マチネの終わりに』に引き続き不器用な男を演じた福山は、スターとしてのイメージからかけ離れた、人間臭いキャラクターを生き生きと演じている。似ても似つかない福山雅治と神木隆之介が、瓜二つにみえるラストシーンは必見だ。

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