初主演ながらトップレベルの実力を発揮

新田真剣佑『聖闘士星矢 The Beginning』(2023)

出典：Amazon

原作：車田正美『聖闘士星矢』
監督：トメック・バギンスキー
脚本：ジョッシュ・キャンベル、マシュー・ストゥーケン、キール・マーレイ
出演：新田真剣佑、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイスマン、ディエゴ・ディノコ、マーク・ダカスコス、ニック・スタール、ショーン・ビーン

【作品内容】

幼い頃に生き別れた姉を探す青年・星矢（新田真剣佑）は、スラム街の地下格闘技場で戦いながらその日暮らしをしていた。
ある日、星矢は戦いの最中に不思議な力を発揮し、謎の組織に追われることになる…。

そんな星矢の前に現れた城戸アルマンは、星矢の内に秘められた力“小宇宙”（コスモ）を鍛えて、女神アテナの生まれ変わりであるシエナを守る運命にあることを告げる。

【注目ポイント】

高校を卒業するまでハリウッドで暮らしていたという真剣佑。その後、活動拠点を日本に移したが、2020年に改めて海外へ拠点を移した。

そんな彼のハリウッド映画初主演作品が、映画『聖闘士星矢 The Beginning』だ。

残念ながら本作の評判は良い方ではなかったようだが、誰の目から見ても明らかな、日本人離れしたルックスと鍛え上げられた肉体が縦横無尽に躍動する姿はまさに眼福。

極真空手や器械体操など、幼い頃に受けた英才教育の成果も存分に活かされており、映画のクオリティはともかく、真剣佑の魅力は存分に発揮されていると言っていいだろう。

表情の芝居もさることながら、身体能力においては、ハリウッド俳優の中でもトップレベルと言っても過言ではない。

本作は興行収入の面で少々残念な結果に終わったものの、ただで転ばないのが真剣佑の素晴らしいところ。2023年の8月からNetflixで配信がスタートした実写版『ワンピース』では、副主人公格のキャラクター（ロロノア・ゾロ）を見事に演じ上げ、原作ファンの厳しい目をかいくぐり、方々から大絶賛を浴びた。本作の汚名返上は見事果たされたと言っていいだろう。

日本で十分にキャリアを築き、ベテランになってからハリウッドに挑戦する役者が多い中、真剣佑はまだ20代中盤。今後、ハリウッド映画の主演を任されるような役者に成長を遂げるのか…今後の進展が楽しみでならない。