世界中から愛されるが、実写化不可能と言われた漫画『ONE PIECE』が今年Netflixで見事に実写化された。ゾロ役には新田真剣佑が三刀流ゾロを演じきり、大絶賛を受けた。今回は「日本で実写化するとしたら」という名目で、麦わらの一味や初期に出てくる人気キャラを原作ファンが選出理由や現実度から妄想キャスティングする。

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『ワンピース』とは

尾田栄一郎による日本の少年漫画作品。『週刊少年ジャンプ』（集英社）にて1997年35号から連載中。2015年6月15日には、“最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ“名義でギネス記録に認定された。

東の海（イーストブルー）の端に位置する、小さな村に住む悪ガキのルフィは、偉大なるシャンクスとの出会いをきっかけに海賊王になることを夢見る。ひょんなことから「悪魔の実」と呼ばれる能力を得ることができる果実を食べてしまい、体がゴム人間になってしまう。

命の恩人にして憧れを抱くシャンクスとの別れから10年後、成長したルフィは1人大海原へ漕ぎ出し、信頼できる仲間を集め「麦わらの一味」を結成し、次々と事件を起こしながら、名を上げていく。

麦わらの一味の船長＆ゴムゴムの実の能力者

モンキー・D・ルフィ

演じるなら、この人！
〜菅田将暉〜

天真爛漫で仲間思いの性格、海賊王という目標に邁進する飽くなき向上心、そして、どんな強敵を前にしても決して怯まない精神力…。

国内最高の累計発行部数を誇る「キング・オブ・コミックス」の主人公・ルフィは、週刊少年ジャンプのキャッチコピーである「友情」「努力」「勝利」を体現したようなキャラクターだ。

ゴムゴムの実によって授かった、自由自在に伸びる身体をフルに使ったアクションは、危なっかしい分、観ていてスリルがあり、戦いに勝利を収めた後、食べ物を口いっぱいに放り込み、お腹を樽のように膨らませる姿は愛嬌たっぷり。

「よく食べ、よく寝て、よく戦う」、『ドラゴンボール』の孫悟空にも通じる、少年漫画における王道の主人公である。劇画という表現形式でないと成立しないキャラクターであると言い換えてもいいだろう。

そんなキャラクターを生身で演じ、原作に親しんだ観客を満足させるのは不可能に思える。

しかし、これまで名だたる作品で”奇跡”を起こしてきた菅田将暉であれば、日本人キャストによる実写版『ワンピース』というプロジェクトの船長ならぬ座長として、作品を成功に導いてくれるに違いない。

ルックスの再現度は申し分ない。細身で筋肉質、ルフィ特有のいかにも固そうな髪質の”無造作短髪”も、どんなに奇抜なヘアスタイルも自分のものにする菅田将暉だったら、ばっちりハマるだろう。弾けるような笑顔もそのまんまだ。

水泳（ルフィは泳げないのだが…）やサッカー、アメフトで培った運動神経は折り紙付き。出世作『仮面ライダーW』でみせたキレのある動きを思い出してもいいだろう。近年は演技派俳優として不動の地位を築いているが、アクションに冴えをみせる役者でもあるのだ。

また、アニメ版に親しんでいる者なら、各キャラクターの声がイメージを裏切っていないかどうかも気になるポイントだろう。声優の田中真弓が吹き込むルフィの声には独特の甲高さがあり、音域的に低めの声の持ち主である菅田が再現できるとは思えない。

しかし、である。ナミの宿敵アーロンを睨みつけ、「うちの航海士を泣かすなよ」と告げる場面を思い出してもらいたい。

ルフィと言えば、仲間を鼓舞する明るいセリフと同じくらい、怒気をはらんだセリフが印象的であり、菅田の低音ボイスは、とりわけ戦闘シーンで、アニメ版の再現とは異なる、日本人キャストによる実写版ならではの迫力をもたらしてくれるに違いない。

ここまで、菅田将暉がルフィを演じるのに打ってつけの理由を述べてきたが、最後にシンプルな主張でこの章を閉じたい。

先に、日本人キャストによる実写版『ワンピース』の主演俳優を船長に例えたが、ドラマ全編を通じて、時には笑わせ、時には悲鳴をもたらし、時にはほろりとさせる。観客に様々な感情の旅を体験させるという点で、ドラマを観ることは航海であり、主演俳優は船のかじ取り役である。船長の資格はただ一つ。「この人について行けば大丈夫」と乗員である観客から信頼を得ることだ。その点、今の日本で菅田将暉以上に観客から信頼されている俳優はいないだろう。