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唯一無二の危険な雰囲気を武器に無双状態

清水尋也

清水尋也
清水尋也写真本人のインスタグラムのスクリーンショット

【注目ポイント】

モデル並みの高身長(186cm)とミステリアスな雰囲気が特徴の清水尋也。キャリアをスタートさせたのは中学生の頃。同じく役者である兄の清水尚弥の事務所のスタッフに誘われ「なんとなく芝居を始めることになった」のが芸能界に足を踏み入れた理由だという。

活動開始後、すぐに頭角をあらわすことに。きっかけとなった作品は、中島哲也監督の映画『渇き。』(2014)。無名ながらもオーディションによって抜擢され、いじめられっ子の“ボク”を演じた。

厳しい演出で知られる中島監督のもとで、清水だけが持つ儚げでありながらも力強い演技が研ぎ澄まされた結果、豪華キャストが揃うなか、頭一つ飛び抜けた存在感を発揮した。

その後、持ち前の高身長と危なげな雰囲気を活かし、いじめっ子、ヤンキー、ヤクザなどの影のある役を次々と熱演。日本映画界において、“悪役といえば清水尋也”といっても過言ではないほどの存在となった。

清水には影のある役がとても似合っている。腹の中では何を考えているのかわからない、そんな人間を演じると無類の魅力を発揮するのだ。あぶない色気をまとった佇まいや目の鋭さは、他に替えのきかない唯一無二の武器。今後も期待がかかる20代俳優の一人だ。

清水尋也の演技を堪能するためのお勧めの一本

『さがす』(2022)

300万円の懸賞金がかかった指名手配犯をさがすという理由で失踪する父親(佐藤二朗)。その行方をさがす娘(伊東蒼)は指名手配犯を見つけてしまう…といった衝撃の内容をもつ作品だ。

清水が演じるのは、指名手配中の連続殺人犯・山内照巳。SNSで自殺願望のある人間を集い、殺しては死体をバラバラにしてクーラーボックスに保存するという猟奇殺人者。

普通の人を装ってはいるが、光のない虚ろな目は、観る者に危険を信号を告げ知らせて止まない。清水の演技は下手に“サイコパスっぽさ”を演出していないため、かえってリアリティがあって怖い。それは実際に殺人を犯そうとしている瞬間であっても変わらず、裸で逃げ惑う女性を追いかけながら、電話をするシーンでは、まるでただコンビニに向かって歩いているのと変わらず、思わずゾッとする。

だが、そんな彼が唯一興奮を示すのは、死体に履かせた白い靴下。女性の裸には全く興味を示さない一方、自分が殺した死体にわざわざ白い靴下を履かせて悦に浸るのだ。

常人には理解しがたい性癖を持ち、殺人に快感を覚える殺人者を演じる清水からは本当に人を殺しそうな危ない雰囲気を感じる。それは俳優にとって極上の褒め言葉だろう。

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