ミステリー×アクション×ラブコメディ
『名探偵コナン』の美味しいところ全部乗せ
『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017)
上映時間:112分
監督:静野孔文
原作:青山剛昌
脚本:大倉崇裕
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、堀川りょう、宮村優子、ゆきのさつき、山口勝平、林原めぐみ、緒方賢一、松井菜桜子、岩居由希子、高木渉、大谷育江、宮川大輔、吉岡里帆
【作品内容】
大阪、京都で競技かるたをけん引する「皐月会」のメンバーを狙った事件が発生。
そんな中で、西の高校生探偵・服部平次の前に大岡紅葉という女子高校生が現れる。自分は服部平次の婚約者だと言い張る紅葉に、平次の幼馴染の遠山和葉は困惑する。そして、大岡紅葉もまた競技かるたの選手であった。
競技かるたにまつわる事件の行方と、平次の恋路の行方はいったいどうなるのか…。
【注目ポイント】
劇場版名探偵コナンシリーズ第21作目となる本作は、“西の高校生探偵“服部平次をはじめとした関西の登場人物が活躍する作品だ。
過去の作品にも第7作目『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』(2003)などで関西を舞台とした作品があるのだが、本作は服部平次を巡って、新たなヒロインが登場する。
服部平次にはもともと幼馴染の遠山和葉という女性がいるが、今作で登場する大岡紅葉は服部平次を「未来の旦那さん」と呼ぶほど直球を投げ込んでくる。スリリングなアクションとは違ったドキドキ感が楽しめるシーンだ。
名探偵コナンはラブコメ要素もあるが、恋のライバルとバチバチやりあうというような展開はほぼない。コナンと蘭の関係を見ればわかるが、2人の間の距離感を描くというような構図が多い。
それだけに、本作のような2人のヒロインが服部平次を掛けて争うといった展開は、コナン映画としても今までの作品になかった面白さがある。
もちろん、コナン映画お約束の殺人事件や爆発は発生し、ラブコメ要素がだけでなくスリル満点のアクションシーンもしっかりと兼ね備えてある。
なお、本作が公開されたのは2017年だが、興行収入は2017年の邦画年間ランキング1位の68.9億円を記録している。これはコナン映画が公開されてから21年目にして初の快挙だ。