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結末が悲しすぎる…。
ショッキングな顛末が胸に刺さるトラウマ回

「隠れ里の死神」(第2期)

演出:山口康男
脚本:雪室俊一
作画監督:小松原一男

ねずみ男【Getty Images】
ねずみ男Getty Images

『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズでもとりわけ恐ろしい話が多いとされる第2期だが、前ページで紹介した「足跡の怪」と並ぶトラウマ回といわれているのがこの「隠れ里の死神」だ。

村祭りにやってきた鬼太郎やねずみ男たち。途中で帰ろうとするねずみ男のもとに、着物を着た子どもが泣きついてくる。と、その瞬間、子どもの顔がドロドロと溶け、白骨化してしまう。恐れおののいたねずみ男は、鬼太郎たちに助けを求める。

そんな中、村の子どもが一人姿を消してしまう。探していくうちにたどりついたのは、魂のノルマに追われる死神だった。彼は、子どもをさらったことをあっさり白状し、自分が時間が概念が存在しない隠れ里に住む「隠れ座頭」の命令で子どもをさらっていることを告白する。

子どもの顔がどろどろと溶け出していく描写もショッキングだが、本当に恐ろしいのは本作のラストだ。隠れ里に侵入し、隠れ座頭を倒した鬼太郎。その瞬間、天国のような隠れ里は一面荒野が広がる地獄のような光景へと姿を変える。その後鬼太郎は子どもたちと一緒に隠れ里を飛び出すが、子どもたちに数百年という時間が一気に襲い掛かってしまう。

気絶した鬼太郎が猫娘たちの声で目を覚ますと、あたりにはおびただしい数の子どもの白骨が横たわっている。岸壁の子どもの骨が風とともに風化していく様子は、かなりショッキングだ。

ちなみに、「足跡の怪」同様、この回も第6期で「死神と境港の隠れ里」としてリメイクされているが、こちらは鬼太郎の友人である犬山まなと隠れ里に住む少年・一之進との友情にスポットが当てられており、ショッキングな描写はかなり抑えられている。

なお、本作の原作は、『河童の三平』に登場する死神を主人公にした『サラリーマン死神』の中の「蒸発」。原作の隠れ座頭は、子どもではなく女性を誘拐しており、女性の性欲を満たすため、1か月に1度村の男をささげるという設定になっている。おそらくこの設定の場合、第2期でも放送は難しかっただろう。

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