『風立ちぬ』
結核で衰弱していく菜穂子
上映時間:126分
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
製作:鈴木敏夫
キャスト:奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子、長嶋一茂、所ジョージ
【作品内容】
大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気に襲われていた。そんな激しい時代に堀越二郎は、片田舎で少年時代を過ごしながらも、航空機の設計者になることを決意する。やがて、その夢を実現させ、彼は“ゼロ戦”を作り上げる…。
【注目ポイント】
映画『風立ちぬ』(2013)の作中には悲しい気持ちになるシーンが数多く存在する。夢に現れた飛行機の設計家・カプローニ伯爵に励まされ、飛行機の設計家になることを志す主人公の二郎。美しい風のような飛行機を造りたいと夢見た二郎は設計学を学び飛行機開発会社「三菱」に就職する。
しかし二郎が飛行機の設計家になるという夢を果たし完成させた飛行機は、第二次世界大戦で特攻機として使用される。二郎が作った飛行機に乗って帰ってきた人はおらず、妻の菜穂子も結核により亡くなってしまう。
特に本作に登場する二郎の妻・菜穂子は結核により徐々に体調が悪くなり、くしゃみで血を流すなど、視聴者は病に蝕まれていく菜穂子の状態に打ちのめされる二郎の姿を見届けなければならないのだ。
愛する人の病気による辛い変化は見るのが辛く涙を誘うものであることは間違いない。映画『風立ちぬ』はその悲しみを大きく取り上げている。