繊細な表現力と大胆なアクションで魅せる
最新作『ゴールデンカムイ』
新作は人気作『ゴールデンカムイ』
思えば山﨑は、前述した『35歳の高校生』やドラマ『デスノート』(2015、日本テレビ系)、映画『四月は君の嘘』(2016)、映画『ヲタクに恋は難しい』(2020)などで、いわゆる王道とは異なる役柄も多くこなしている。裏の顔を持っていたり、天才的な才能を持っていたり、寡黙であったりと、繊細な表現が求められる役も多かった。直接的ではないにしろ、これまで積み重ねてきた経験が生きているはずだ。
そう考えると、山﨑賢人が実写映画の主人公に選ばれるのは、本人の持って生まれた素直さと、経験に裏打ちされた表現力の賜物と換言できる。天性のものと、地道に積み上げてきたもの。それすらも信の姿にダブって見えてくる。考えすぎだろうか。
舞台挨拶や会見など、役を離れた山﨑を見たとき、その落ち着いた様子に少々面食らう。時折、大御所俳優のような威厳を感じることがあるのだ。でも、実年齢は29歳の青年。きっとまだまだ飛躍していくのだろう。
次はどんな主人公を演じ、わたしたちを楽しませてくれるのか。その前にまずは、公開を間近に控えた『ゴールデンカムイ』が楽しみでたまらない。
(文・あまのさき)
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