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映画『天空の城ラピュタ』吹替版の複雑な歴史

空中海賊ドーラ家がシータとパズーを追いかけるシーン© 1986 Studio Ghibli

実は、本作の吹き替えを担当したのはディズニーがはじめてではない。

本作が公開された1986年に一度吹き替え版が制作されており、1987年の香港での劇場公開や、日本航空の国際線での上映で使用されている。しかし、配給を担当したストリームライン・ピクチャーズは、吹き替え版の制作には一切関与していないと述べており、誰が吹き替え版を制作したのか未だ明らかになっていない。

この最初の英語吹き替え版は現在ではほぼ消滅してしまっているが、当時のストリームラインの責任者カール・メーセックによると「訳は正しかったがぎこちなかった」という。

なお、ディズニーによる吹き替え版の公開は当初1998年を予定していたが、『もののけ姫』(1997)の興行成績が振るわなかったため、一度延期されている。そして、2003年、『魔女の宅急便』(1989)の再リリースと共に、北米でホームビデオ化される。批判の的になったのは、このホームビデオ版だ。

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