スピルバーグ大絶賛…。ゴジラ映画復活を告げた歴史的作品
『ゴジラ-1.0』(2023)
上映時間:125分
監督:山崎貴
脚本:山崎貴
出演者:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介、田中美央、遠藤雄弥、飯田基祐、永谷咲笑
【作品内容】
舞台は戦争によって焦土と化し、何もかも失っている戦後の日本。文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。
戦争を生き延びた人々は、ゴジラに対して抗う術を探っていく。主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。
戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じ、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演している。
2023年12月にはアメリカでも公開され、全米歴代邦画実写作品の興行収入1位を記録するなど大ヒットを記録。日本映画として初めてアカデミー賞の視覚効果賞にノミネートもされた。
【注目ポイント】
本作は戦後の日本を舞台に、日本を再び苦難の淵に追いやるゴジラという存在と、それに立ち向かう人々の姿を描いている。
特に海外での評価が高く、アメリカでのオープニング興行収入が約1100万ドルを記録し、イギリスやアイルランドでも新たな興行記録を樹立した。
評価されているポイントとして、人間ドラマの深い描写と怪獣映画としてのスリルが見事に融合している点が国際的な映画ファンから高い支持を受けている。
本作のヒットは、まさしくその普遍的なテーマと人間性の探求、そして視覚効果の革新性によるものだ。実際にアカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされたことも、その技術的な成果を証明している。
本作が魅了したのはアメリカで暮らす一般の映画ファンにとどまらない。映画監督のスティーブン・スピルバーグは本作を3回も観賞したことを明らかにし「キャラクターが良い」と絶賛。娯楽映画の王様の端的なコメントは、本作の芸術性とエンターテイメントとしての完成度の高さを雄弁に物語っている。
今回紹介した5本の映画は、それぞれ異なる時代、背景、そしてテーマを探求してるが、共通しているのは邦画SF映画の持つ無限の可能性と世界への影響力である。
『鉄男 TETSUO』のサイバーパンクから『スワロウテイル』の移民たちの生きざま、『白痴』の戦時下の混乱、『PLAN 75』の超高齢化社会の倫理的課題、そして『ゴジラ-1.0』の戦後日本の復興という具体的な歴史的瞬間に至るまで、様々な要素が世界に影響を与えてきたことは言うまでもない。
これからも世界に影響を与え続ける邦画の誕生を心より願うばかりだ。
(文・ニャンコ)
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