当時は珍しかった”純粋”な”かわいい系”男子役
『一週間フレンズ。』(2017)
監督:村上正典
脚本:泉澤陽子
原作:葉月抹茶
出演:川口春奈、山﨑賢人、松尾太陽、上杉柊平、高橋春織、古畑星夏、伊藤沙莉
上映時間:120分
【作品内容】
高校2年生の祐樹(山﨑賢人)は、クラスメイトの香織(川口春奈)に、思い切って「友達になって下さい」と声をかけるが、香織から拒まれてしまう。
実は香織は“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害があった。それでも香織のそばにいたいと願った祐樹は、交換日記をはじめ、少しずつ距離を縮めていく…。
【注目ポイント】
川口春奈とのW主演である本作。原作は葉月抹茶による同名漫画作品で、2011年の読み切り版を経て2012年から2015年まで『ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)で連載された。
2014年にアニメ化、舞台化などメディアミックスされた人気作品であり、特にアニメ版も好評を得ていた。
高校生の男女のラブストーリーといえば、王道ともいえる作品だろう。
しかしこの長谷祐樹という役は、当時、イケメン俳優としての順調にキャリアを積み上げていった山﨑においては、一周回って”らしくない”役だったように個人的には思える。
というのも、祐樹はとにかく純粋で、香織をひたむきに追いかける役だ。それまでの山﨑賢人の出演作は、映画『L♡DK』(2014)映画『オオカミ少女と黒王子』(2016)など、いわゆる「オレ様」的なキャラクターが印象的で、ヒロインを追いかける側の役が少なかったと筆者は記憶している。
こういった強いイケメン像を演じる機会が多かったのも、山崎の顔が整い過ぎていたことが関係しているのかもしれない。
山﨑の純真さに世の女性たちが「”かわいい系”もできるんかい! 」と尊死した名作だ。山崎賢人の「カメレオン俳優っぷり」がさく裂しており、原作再現度が高い作品である。