主人公の名前を言い間違え…。
原作ファンの逆鱗に触れてしまった作品
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)
監督:三池崇史
原作:荒木飛呂彦
脚本:江良至
出演:山﨑賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、山田孝之、伊勢谷友介、観月ありさ、國村隼
上映時間:118分
【作品内容】
海沿いの町・杜王町(もりおうちょう)に暮らす高校生・東方仗助(山﨑賢人)はスタンドと呼ばれる特殊能力を持ち主であり、壊れたものや怪我を治すことが出来る。
杜王町では不審な変死事件が多発しており、仗助はこの一連の事件の背後には別のスタンド使いがいることを知る。
仗助は、己のスタンドを武器に、町を守るために立ち上がる。
【注目ポイント】
原作は荒木飛呂彦による漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)(以下、「ジョジョ」と表記)。1~9部からなる原作の中から第4部「ダイヤモンドは砕けない」を実写映画化したのが本作だ。
原作人気が高いことから大ヒットが期待され、スペインでの海外撮影が行われたりと巨額の予算がかけられたにも関わらず、最終的な興行収入は9億536万円と大爆死。
とはいえ、実は公開前から「実写化は失敗するだろう」という声も多かった作品だった。その理由の多くが、「ジョジョ」の強烈なキャラクター性にある。「ジョジョ立ち」でも有名だが、「ジョジョ」は、キャラクターの、ビジュアル、立ち振る舞い、セリフ回しなど、特徴があり過ぎるといっても過言ではない。
こういった「ジョジョ」らしさを実写で上手く再現できるのか?仮にできたとして、映像作品として観るには浮いてしまうのではないか?
そんなファンの不安が残念ながら実現してしまった。レビューサイトには「コスプレ大会か」という声がかなり多く見受けられた。やはりどうしてもチープに映ってしまったのだろう。
筆者の個人的意見だが「ジョジョファンの愛の深さ」も関係していると考える。長期シリーズの人気作品なだけに、原作にプライドを持っているファンの方も多いはず。実写化に対してのハードルの高さは、他の作品と比べても高かったのではないか。
その前提を踏まえた上で記述するのだが、主人公・東方仗助(ひがしかた じょうすけ)を演じた山崎は、イベントで「ひがしがた」と呼び間違えたり、キャラ名をスタンド名だと間違えてしまったりと、原作ファンの虎の尾を踏んでしまった。
筆者もサブカル沼に肩まで浸かって生きてきた人間だが、うろ覚えで「ジョジョ」の話をするのは全裸で地雷原を走り回るくらい危険行為だと考えている。
こうしたキャラ再現度だけでない場所でのミスもあり、残念ながら本作は失敗に終わってしまった。